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食の達人コラム

ワインを甘くおいしく 酸化防止剤なしで醸す日本の技 エンジョイ・ワイン(16)

2019/9/6

サントリーの「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」シリーズなど、酸化防止剤無添加ワインは消費が拡大している

ワインの製造に欠かせないとされる酸化防止剤をあえて使わない「酸化防止剤無添加ワイン」が人気だ。この日本独自のワインはワイン全体の消費が伸び悩む中、緩やかに右肩上がりを続け、今や国産ワイン市場の4割を占める。人気の理由が消費者の健康志向と、1本500円前後からという手ごろ感にあるのは間違いない。だが取材すると、それ以外の、日本ならではの理由もあった。

酸化防止剤無添加ワイン大手のサントリーホールディングスによると、同社の「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」シリーズの2018年の販売量は186万ケース(1ケースは12本)となり、前年比3%増を記録。今年1~6月は前年同期比8%増で、売れ行きに拍車が掛かっている。ワインの消費量に頭打ち感が漂う中、目を見張る数字だ。

サントリーは他社ブランドを含めた酸化防止剤無添加ワイン市場全体に関しても、今年は前年比6%増と予想。一方、同じく大手メーカーのメルシャンによると、金額ベースで見た酸化防止剤無添加ワイン市場は国産ワイン全体の約4割に達している。主要購買層は「健康志向の強い50代以上の男女」(椎木絵理サントリーワインインターナショナル国産ブランド部課長)だ。

ちなみに「国産ワイン」とは、一般に、輸入果汁や輸入ワインを使って国内で製造したワインを指し、国産ブドウを原料とした「日本ワイン」とは別。流通量で見ると、国産ワインは日本ワインの約7倍の規模で、輸入ワインを含めた全ワイン流通量の3割弱を占める。

酸化防止剤の正体は亜硫酸塩だ。大抵のワインはボトルに「酸化防止剤(亜硫酸塩)含有」と書いてある。国税庁の「酒類製造における亜硫酸の適正使用について」によれば、亜硫酸塩は「酸化の防止、有害な微生物の殺菌や繁殖の防止、不快な刺激臭を抑制することなど様々な効果がある」半面、「有毒であることから、取扱いに注意」しなければならない。そのため、食品衛生法は亜硫酸塩の添加量をワイン1キログラムあたり0.35グラムまでと定めている。使用した場合は表示義務があり、欧米にも同様の規制がある。また、国税庁の説明からもわかるように、亜硫酸塩は酸化防止剤としてだけでなく、保存料としての役目もある。

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