中古マンション、価格上昇鈍る 都心でも横ばいや下落不動産コンサルタント 田中歩

23区のうち上昇は15区のみ

直近3期の平均で変化率が
・マイナス1%以下を「下落」
・マイナス1%以上マイナス0.5%未満を「弱い下落」
・マイナス0.5%以上プラス0.5%未満を「横ばい」
・プラス0.5%以上1%未満を「弱い上昇」
・プラス1%以上を「上昇」
とした場合の23区全体と各区のトレンドが次の表です。

23区のうち15区が上昇傾向となっているものの、それ以外は横ばいか下落となっています。恐らくこれが、現場から聞こえてくる「横ばい傾向」という声の原因ではないかと思われます。

各区の成約データについては、先に述べたような「品質調整」をしていますが、例えば、もともとほかの区よりも駅から遠い物件が多いような場合、価格推移に差が出る可能性があります。実際、葛飾区はほかの区に比べて駅から遠い物件が多く、価格下落の傾向を強めたのではないかと筆者は考えています。

逆にいえば、葛飾区内でも駅から近い物件をみれば、このような価格下落を示さない可能性もあるということです。

株価動向も注視

このようにまだら模様の傾向がみられる23区の中古マンション市場ですが、現在のトレンドがいつ転換するのかは誰にもわかりません。ただ、理論的な根拠ははっきりしないものの、株価が変化すれば都区部マンション価格も変化する、すなわち両者の間には一定の相関があるといわれているので、トレンド変化の先行指標として株価の動きを参考にするという手はあります。

今回つくってみた23区の中古マンション価格指数と東証株価指数(TOPIX)との相関関係について調べたところ、株価の変化から半年後が最も相関が強く、相関係数は0.544という結果になりました。この水準だと、一般には中程度の相関があるといえるので、株価の変動から半年後に23区の中古マンション価格も変動する可能性が一定程度ありそうだといえます。

最近の国際経済情勢からすると、国内の株価は大きく変動しそうな状況です。中古マンション市場にも一定の影響を及ぼすかもしれませんので、注視したいところです。

田中歩
1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、ライフシミュレーション付き住宅購入サポート、ホームインスペクション(住宅診断)付き住宅売買コンサルティング仲介などを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」に参画。
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