白ワインは低糖質 しかも赤より殺菌効果が強力だった

日経Gooday

白ワインやスパークリングワインは、健康効果の面では赤ワインに比べて影が薄いが、実際のところどうなのだろうか。写真はイメージ=(c)JaromA-r Chalabala-123RF
白ワインやスパークリングワインは、健康効果の面では赤ワインに比べて影が薄いが、実際のところどうなのだろうか。写真はイメージ=(c)JaromA-r Chalabala-123RF
日経Gooday(グッデイ)

ワインの健康効果というと、赤ワインばかりクローズアップされ、白ワインの影は薄い。ブドウから作られたお酒なのだから、ある程度の健康効果を期待したいところだが、実際のところはどうなのだろうか。酒ジャーナリスト・葉石かおりが今回は、ワインの醸造と健康効果の研究に取り組んできた山梨大学ワイン科学研究センター客員教授の佐藤充克さんに白ワインの健康効果を聞いた。

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すっかり日本の食卓酒として定着したワイン。私自身、日本酒、本格焼酎が専門なだけに、ワインの知識はあまりないものの、ワインは日常的に飲む。

私は赤よりも白派、さらにはスパークリング派である。冷蔵庫には必ずと言っていいほど白かスパークリングが冷えている。厳しい暑さが続く季節は、キリッと冷えた白ワインが最高。さらにはスパークリングからスタートするならなお良し。蒸し暑い日に仕事から帰って、シャワーを浴び、スパークリングのハーフボトルをゴキュゴキュと喉を鳴らして飲むのは至福のひと時である。

暑い時期にピッタリの白ワインだが、健康効果は?

ただ、暑い季節にピッタリの白ワインだが、健康効果という点ではこれといった話をあまり耳にしたことがなく、赤ワインに押されて、ちょっと影が薄いように思う…。本コラムでも以前に取り上げたが、「健康にいいワインといえば赤ワイン」という印象が強い。赤ワインは抗酸化作用を持つポリフェノールを豊富に含み、動脈硬化などを防ぐ効果が期待されるほか、認知症の予防効果、さらには寿命を延ばす可能性があるという報告があるなど、健康効果は盛りだくさんだ。

それに比べ、白ワインときたら赤ワインほど、派手にスポットライトが当たったことがない。白ワイン派としては、何としても赤ワインに負けないような健康効果があるか探ってみたいものである。

また、私が白ワイン派なのは、味の好みもさることながら、なぜか赤ワインを飲むと、翌日に残ったり、ひどい頭痛になることが多いということがある。白ワインやスパークリングワイン、それに、本格焼酎や日本酒などを飲んでも頭痛に悩まされることは、飲み過ぎない限りまずない。なぜか赤ワインを飲んだときに起こる。「私は赤ワインとは相性が悪いのかな」くらいに思っていたのだが、周囲の左党に聞いてみると、決して多くはないが、筆者と同じような症状を持つ人がいるではないか。これは何か理由があるのだろうか。長年抱くこのナゾについても解明したいと思っている。

そこで今回は、白ワインの健康効果、そして赤ワインと悪酔いの関係について、佐藤さんに話を伺った。

赤と白の造り方の違いがポリフェノールの量に影響

具体的な健康効果に入る前に、まずは白ワインの原料や製造法について確認しておこう。先生、赤ワインと白ワインの製法の違いについてご教示ください。

「赤ワインの原料は黒ブドウ、白ワインの原料は白ブドウです。白ワインの原料になる主な品種には、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、甲州などがあります。ワインは、ブドウを酵母によりアルコール発酵させてできたお酒ですが、実は赤ワインと白ワインでは、原料だけでなく、製造方法が異なるのです。これがポリフェノールの量などに関係します[注1]」と佐藤さんは話す。

具体的には、「赤ワインはブドウの実、果皮、種も一緒に仕込み、発酵させるのに対し、白ワインは収穫したブドウを破砕した後、圧搾機で搾ったブドウ果汁を発酵させます。ブドウのポリフェノールは主に果皮や種に多く含まれています。果皮に3割程度、種に7割程度で、果汁には少量含まれますが少ないのです。白ワインに比べ、赤ワインにポリフェノールが多いのは、果皮も種も使って仕込むからです」(佐藤さん)

なるほど、ポリフェノールの量に違いが出るのは製造方法の違いによるものだったわけだ。ポリフェノールとは、植物が光合成によって生成する色素や苦味の成分。活性酸素を撃退する抗酸化物質として、健康効果が知られている。

「ワインの健康効果の中核的な存在がポリフェノールです。ポリフェノールはお茶やチョコレートをはじめ、さまざまな食品に含まれていますが、圧倒的に赤ワインの含有量が多く、緑茶の数倍程度含まれています」と佐藤さんは話す。

実際、佐藤さんはさまざまなワインのポリフェノールの含有量を計測している。そのデータによると、白ワインに含まれるポリフェノールは300~700ppm程度で、赤ワインの半分から数分の1程度なのだという。

ポリフェノールは、フェノールが複数結合した化合物の総称。OH基が多い物質ほど抗酸化作用が強くなる

白ワインはポリフェノールが少なめだが、性能がいい!

白ワイン派としては悲しいことだが、健康効果の面ではやはり赤ワインに軍配が上がってしまいそうだ。落胆する私に、佐藤さんはこうフォローしてくれた。

[注1]厳密には、白ワインは黒ブドウからも作ることができる。黒ブドウの果皮を含まないように搾汁した果汁を発酵させれば白ワインになる。