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映画監督・脚本家 三谷幸喜氏

映画監督・脚本家 三谷幸喜氏

映画監督・脚本家の三谷幸喜さん(58)は人々を楽しませるコメディー作品を多くつくってきた。中学生時代、最初は自分一人で友人を笑わせていたが、そのうち仲間を募って芝居形式で楽しませる魅力を発見。それからは面白い作品を作るため、多くの人をどう巻き込めばいいのかを考えてきた。リーダーのあり方として、人を怒るのでなく、楽しませて物事を進めるべきだ、という発想が三谷さんにはあるようだ。

<<(上)申し訳ありませんが、不本意ながらリーダーに

――俳優やスタッフたちとの接し方で苦労することはありますか。

「あまりやりたくなかった劇団を何年かやって、その後、舞台も演出するようになりました。最初のころは演出を他の人に任せていました。だけど、やっぱりコメディーはセリフの間とかを自分で演出するほうが、お客さんが喜ぶ回数は増えるので、自分でやるようになりました」

「演出もするようになって20年以上たつので、俳優さんとの接し方でも、どういう言葉を使えばこの俳優さんに一番理解してもらえるか、見つけられるようになってきたんですね。例えば、初めて一緒に仕事をする人の場合、どういう言い方をすればいいのか、細かく動きを指示した方がいいのか、もっとざっくり言った方がいいのか、何となく分かってきたということです」

「その人の本業がミュージシャンなら、『最初のセリフの出だしの音をもうちょっと、3度上げてもらえますか』などと言います。その人その人に合った演出の仕方、言葉の見つけ方みたいなものも、数をこなしていくとだんだん見えてくる部分がありますね。それで今も何とかやっている、という部分はありますけれども、本当はそれをやりたくてこういう仕事を始めたわけじゃないんです」

笑わせる魅力、コロンボで発見

――「他の人の喜ぶ顔を見たい」という思いが、今の仕事のきっかけですか。

「最初はそうだったんです、同級生を笑わせたいという気持ちです。中学生のとき、僕が一人で皆を笑わせるようなことを言ったり、テレビシリーズ『刑事コロンボ』のマネをして皆の前で発表したりしていました。ですけど、それよりは仲間を使って芝居形式にした方がより笑わせられる、と気づいたのです」

「劇団をつくったときもそうですね。脚本家になって、特にテレビの世界に入ってからは、視聴者の顔は見えないので、プロデューサーの笑う顔が見たい、僕に仕事を与えてくれた彼らに恩返しがしたい、という思いでした。自分で台本を書いて、その場で読んでもらったり、読みながら笑ってもらったりするのがうれしくて。逆に、プロデューサーが読んでいるページを戻したときには『つまらないのか』とドキドキして、僕は顔を上げられなくて、ずっと同じページを見ていました」

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