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野人・岡野さん「為せば成る」 常に動いて脱ストレス

元サッカー日本代表・現ガイナーレ鳥取代表取締役GMに聞く(下)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

1997年、翌年のサッカーワールドカップ出場を懸けたアジア最終予選のイラン代表との戦いで、死闘の末、見事Vゴールを決めた野人こと、岡野雅行さん。輝かしい栄光の後にどんなサッカー人生が待っていたのか。また、現役時代に培った経験やメンタルが、ガイナーレ鳥取のGMという仕事にどのように役立っているのかを聞いた。ケガをしないための食事内容やストレスとの向き合い方についても教えてもらった。

自分を信じて続ければチャンスは来る

――前回記事「野人・岡野さん 大学中退からジョホールバル歓喜まで」では、ワールドカップの切符をかけたアジア最終予選という、経験したことのない重圧を背負いながら、結果を出すまでのメンタル面についてのお話を伺いました。初のワールドカップ出場を決め、重圧から解き放たれた後の気持ちの変化について教えてください。

岡野 ワールドカップに行けることになったのは素直にうれしかったです。Jリーグ発足からたった4年でワールドカップの切符をつかみ、それ以降、海外に移籍して活躍する選手が続々と登場しました。今ではワールドカップ本戦出場も当たり前のようになりましたよね。日本サッカー界がすごいスピードで成長してきたからだと思います。そんな突破口になれたのは、自分たちを信じて「何が何でもワールドカップ出場」という高い目標を掲げていたからこそだと思います。「自分たちの実力はこんなものだ」という低すぎる目標だと、超えられなかったでしょう。

そんなチーム一丸となって一戦一戦必死に戦った結果なのに、ゴールを決めた僕ばかりがクローズアップされてマスコミに取り上げられるのが、当時は本当に嫌でした。だから僕はしばらく、「ジョホールバルの歓喜」についての取材は受けないようにしていたのです。

だけどそれから年月がたち、娘が小学3年生の頃に買ってやった歴史の本に「ジョホールバルの歓喜」のことが、「地下鉄サリン事件」の後に掲載されているのを目にしました。確かにあの頃、日本国民の気持ちが沈んでしまうような暗いニュースが続いていて、「ワールドカップ出場」という久々に明るいニュースが人々を歓喜させ、内閣総理大臣からも感謝の言葉をいただきました。人々を明るくできることはやはりスポーツのすごさであり、それだけの結果を出したのだと、自分を素直に認めることができて、今はあの試合のことも講演会などで話せるようになりました。

――ゴールを決めた選手として注目を受けるのは、その後の選手生活にプレッシャーになったのでは?

岡野 プレッシャーだと感じた覚えはありませんが、ワールドカップが終わってモチベーションが続かなくなってしまいました。さらに成長するために海外でプレーをしたかったのですが、浦和レッズからOKが出ず、結局移籍はかないませんでした。さらに新しい監督に僕を使ってもらえなくなった時は、さすがにサッカーをやめようかと思ったぐらいつらかったです。

そこで僕は自ら動いて、自分を起用してくれるヴィッセル神戸への移籍を決断しました。市民の声を受けて誕生し、何もかも自分たちで準備して動くようなチームでしたが、高校時代の時に比べたら別に苦にならず、実際にプレーするうちにチームの成績も上がり、サッカーが再び楽しくなってきました。2年半ほどプレーを続けていた時、浦和レッズから異例の再移籍の打診がありました。悩んだ末、古巣に戻ることにしました。

岡野 それまで僕は、一度もタイトルを取ったことがなかったので、タイトルを取りたいと思ったのかもしれません。結果的に、天皇杯やリーグ優勝など一気に7つものタイトルを取ることができました。つらい時期もあったけど、自分を信じて続ければチャンスが巡ってくることを実感しましたし、振り返れば、「ジョホールバルの歓喜」以降も、楽しい現役生活だったと思います。

――現役時代、「ここぞ」という場面で、ベストパフォーマンスを発揮するために心がけていたことは何ですか?

岡野 僕は細かいことを気にするような繊細な選手ではありませんでした。例えば、自己管理をきっちりするために、風邪予防にうがい薬でうがいをする選手もいたけど、僕はうがいすらしませんでした(笑)。でも、当たり前のことかもしれませんが、しっかり睡眠を取り、自分に合う食べ物で栄養を摂取し、食べたものはしっかり燃焼させてパワーに変え、出すものは出す(排便)というサイクルはできていたと思います。「この食べ物がいい」という情報は世の中に出回っていますが、やはり自分で試して、自分の体に合う食べ物(栄養)を探すことは大事だと思います。

悩んでも現状は変えられない「行動あるのみ」

――岡野さんの体と相性がいい「パワーフード」は何ですか?

試合前は食事をすぐパワーに変えるために、うどんなどの炭水化物を取っていました。それと、僕にとってのたんぱく源となるパワーフードは鶏肉です。幼い頃から鶏そぼろをよく食べていて、今も鶏肉を食べると体の調子がいいような気がします。ちなみに、幼い頃のおやつはいつも煮干しでした。友達の家にお邪魔して、おやつにクッキーが出てきた時はびっくりしたぐらい(笑)。親の食育のおかげで、骨折とは無縁だったようにも思います。

とにかく昔から体だけは丈夫で、大きな病気になったことはありません。今心がけていることといえば、ドリンクタイプのヨーグルトを1日1本飲むことでしょうか。毎日違う種類のものを選んで飲んでいます。いろんな菌があったほうがいいという話を聞いてから今のスタイルになりました。真相は定かではないものの、実践してみると便通がとてもいいです。一時期、接待などの席でお酒をよく飲み、食生活が乱れて太ったこともありますが、便通を良くすることや、1~2駅分歩くことを意識していると、以前よりは体は絞れました。

――ストレス解消のためにしていることはありますか?

岡野 ストレスは心と体の病気を招くと思っています。僕の場合、ストレス解消というか、ストレスをためないようにしています。鈍感力がたけているようにも思いますが、「自分は自分、人は人」という考えで、昔から他人が言うことを気にしません。

ストイックになり過ぎず、悩み過ぎず、「為せば成る」という考えが強いです。悩んでいても、不安がっても、落ち込んでも現状は変わりません。変えるためには、行動あるのみ。高校時代、大学時代、Jリーグに入ってからも、サッカーエリートではなかったからこそ、行動することで成長できて結果につなげることができた実体験がある。それが自信になっていると思いますね。

――今はガイナーレ鳥取のGMという立場でお仕事されていますが、その「為せば成る」という考えが役立っていますか?

岡野 そうですね。高校時代にゼロベースからサッカー部を作った経験も、日本代表になってワールドカップ予選でゴールを決めた度胸も、役立っていると思います。

今の大きな目標は、ガイナーレ鳥取がJ3からJ2、そして最終的にはJ1に昇格し、ワールドカップに出場する選手をうちのチームから出すことです。鳥取は東京の世田谷区よりも人口が少なく、もしJ1に昇格すればスタジアムに通いやすいよう交通網を整備しなくてはならないので、大きな町おこしにつながるとも考えています。

そのために僕は、さまざまな企業やイベント、講演会に出向き、ガイナーレ鳥取を知ってもらうために現状を説明して、選手の強化費にするための広告や資金集めをするなど、自分ができることを精いっぱいしています。

GMになった当初は強い選手もいませんし、試合にも勝てなくて、どうすれば資金を集められるかと頭を悩ませました。ある時、地元の漁業組合に出向き営業すると、「うちは寄付はできないけど、のどぐろや干物といった魚だけは豊富だから、ガイナーレが宣伝してくれたら魚を寄付するよ」と漁師さんに言われました。それを聞いて、当時注目され始めていた「ふるさと納税」にヒントを得て、まねしようと思いました。

2014年から今も、夏と冬の年2回、僕らのチームに寄付をしてくれた人に魚などの鳥取の特産物を届ける「野人プロジェクト」を続けています。地元の漁港も潤うし、僕らのチームには新戦力を補強できる。寄付してくださったサポーターの皆さんには新鮮な魚などが届いて、おまけに自分の寄付したお金で補強した選手がゴールを決めるシーンが見られるわけです。

今はこのシステムを他のチームも行っていますが、こうしたアイデアも、自分で動いて漁業組合の人と話したからこそ思いつきました。「資金がない」とストレスをためる前に、自らが行動した先でヒントを得て問題解決につなげるような、「為せば成る」の精神で突き進む突破力こそ、ストレスをためない人生につながると僕は思います。J1に昇格して、ワールドカップに出場する選手がガイナーレ鳥取から登場することも、夢ではないと思っています。

(ライター 高島三幸、カメラマン 厚地健太郎)

岡野雅行さん
1972年生まれ。日本大学中退後、浦和レッドダイヤモンズ入団。日本代表メンバーに選出され、97年のFIFAワールドカップ・フランス大会アジア最終予選で日本を初のW杯出場に導く決勝ゴールを決めた。2013年引退、ガイナーレ鳥取GMに就任。2014年から夏・冬の2回、新戦力獲得のための寄付プロジェクト「野人プロジェクト」を開始。11回目の今回は梨や和牛など11種の御礼品を用意。9月末まで受付中。https://www.gainare.co.jp/special/2019/yajin-project19summer/index/

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