中国で大失敗、海外事業は50点 国際化の肝は現地化カルビー元会長 松本晃氏

中国市場、ポテトで苦戦

スナックは大きく分けて、原材料がジャガイモとそれ以外の2種類あります。ジャガイモは人気がありますが、調達や扱いが難しいんです。

中国市場への進出には、苦い記憶もある

日本では8月中ごろから10月中ごろの2カ月間が主産地である北海道での収穫期です。収穫して放っておくと腐るから、冷蔵庫でセ氏8度で保管します。それでも芽が生えてくる。そうなると糖度が上がって、揚げたときに焦げてしまいます。中国で1年間コンスタントにジャガイモを調達するのは、非常に難しかった。

それで、その点をクリアできるものから始めたんです。それが冷凍ジャガイモが原料の「じゃがビー」です。棒状で、ポテトチップスともまた違う食感があるんですが、売れなかった。まず製造コストが高いから値段が高めで、量が少なかった。容量が多く、おなかが膨れるのを重視する中国の消費者には受け入れられませんでした。ちょっと早かったのかもしれません。それでいったんスナックから撤退し、その後シリアルの「フルグラ」で再参入したんです。

そのころ、中国からの観光客が日本でフルグラをどっさりと買い込んで持ち帰っていました。フルグラを買い集めて、コンテナで中国に「輸出」するような人まで出てきた。現地での値段が日本の2倍半もするのに売れていて、「これはいける」と思いました。考えてみれば、中国はおかゆ文化だから、日本人よりシリアル類に親近感があるんですよ。それでフルグラは成功したんです。

国際化には現地化の努力が必要

カルビーのグローバリゼーション(国際化)を進めるにあたって、僕は徹底的なローカライゼーション(現地化)でやろうとしました。原材料も現地で仕入れ、マネジメントも従業員もローカルで、価格も現地の市場価格に合わせる。そういう商売をめざしたんです。しかし、マネジメントに関しては社内で議論があり、必ずしも思ったようにはいきませんでした。

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