会社には嫌がらせ電話などが殺到したそうです。この事件では11人が名誉毀損の疑いで書類送検されました。結果的には不起訴処分となりましたが、会社は「デマにより休業を余儀なくされ、精神的苦痛を受けた」としてデマを投稿した11人のうち示談が成立した3人を除く8人に対し、総額880万円の民事訴訟を提起しているとのことです。

今年4月に発生した池袋自動車暴走事故でも、容疑者の息子が某上場企業の執行役員であるという誤情報、次に安倍首相の元秘書だという誤情報が立て続けに流れました。特に後者は国会議員や新聞記者までがリツイートしたため、かなりの範囲に拡散しました。

8月に発生した常磐道あおり運転暴行事件でも当初、ネット上には逮捕された容疑者とはまったく別の男女の名前が拡散していました。特に「犯人扱い」された女性のSNSが「特定」され、名前や写真がネット上に流出。コメント欄は誹謗(ひぼう)中傷であふれ、この女性が代表を務める会社には電話が殺到し、業務に支障をきたしたそうです。

刑事・民事の両面で法的問題

女性は直ちに弁護士を通じ、虚偽の情報を広めている者に対して刑事・民事両面から法的措置を取ることを検討している旨、公表しました。

ネットリンチは法的にも刑事・民事両面の問題があります。このコラムでは民事上の責任を中心に論じていきますが、刑法の名誉毀損罪にも該当する可能性があります。前述した北九州の会社の事件でも11人が書類送検されています。結果的には不起訴にこそなっていますが、当然、この11人は警察や検察から呼び出されて事情を聞かれているはずです。

そのほか、虚偽の風説の流布は偽計業務妨害罪に該当する可能性もあります。軽い気持ちでガセ情報を拡散したのかもしれませんが、結果的には司法当局に呼び出されるという「おおごと」になっているのです。

リツイートにも損害賠償責任の可能性

なお、ツイッターの場合、「リツイート」という機能で、ほかの人のツイートをそのままの形で、自分がツイートしたときと同じように、自分のフォロワーの人のタイムラインに表示させることができます。

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