常磐道あおり事件にみる SNSデマ「加害者」の責任弁護士 志賀剛一

写真はイメージ=PIXTA
写真はイメージ=PIXTA
Case:62 最近、ニュースで報道されているある事件の犯人の親族ということで、ネット上に私の名前が出ているようです。しかし、まったく事実無根であり、困っています。どうしたらよいでしょうか。

家族や交友関係までネット上に公開

最近は何か事件が起きると、検索エンジンやSNS(交流サイト)で「特定班」と言われる人たちが独自に「犯人捜し」をして、「犯人」と判断した人のツイッターやフェイスブックのアカウントを特定し、住所や氏名のみならず家族や交友関係までネット上に公開する行為がしばしば行われています。

何かの事件についてインターネットで事件名を入力するだけで「実名 住所」などの関連ワードが登場し、「○○事件の犯人、ツイッターやフェイスブックから特定?」のようなまとめサイト(トレンドブログ)が乱立する状況です。「ネットリンチ」「ネット私刑」などと呼ばれるこれらの行為は、一部の人たちによるゆがんだ正義感により引き起こされています。

ネットリンチにより拡散された情報が正しければまだしも(実はそれでも大いに問題があるのですが)、真実とは異なるいわゆる「ガセネタ」ということになれば、間違えられた人はたまったものではありません。

このコラムのCase:51「『バイトテロ』で株下落 株主は損失を請求できる?」で紹介した「バイトテロ」でも「悲劇」が起きていました。別の回転寿司で働いていただけでこの騒動とはまったく無関係な人が当事者として名前を出され、ほかのSNSユーザーから散々たたかれてしまったのです。

8人に総額880万円の損賠訴訟

2017年に起きた東名高速道路でのあおり運転死亡事故では、容疑者の名字がある建設会社の一部になっていたことや、報じられた容疑者の住所が北九州市で、その会社の所在地と近接していたことからSNS上などでその会社を「容疑者の勤め先」、会社の社長を「容疑者の父」などと断定する書き込みがあり、あっという間に拡散しました。

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし