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被災したらパン作りが必要な理由 ポリ袋だけで簡単に

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NIKKEI STYLE

9月1日は「防災の日」。その前後は防災週間として各地でさまざまな防災イベントが行われる。この時期に食料備蓄や災害時の食について見直す家庭も多いのではないだろうか。

昨年起きた北海道胆振東部地震では地震発生後に「パン」のレシピ検索が急増するという興味深いデータがあった。今回はその背景を探るとともに、災害時にライフラインが制限されたときもできるパン作り、食材備蓄のポイントについて紹介する。

料理レシピ投稿・検索サービスを運営するクックパッドでは、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震において、震源地からおよそ75キロ圏内、震度5弱以上の揺れを観測した地域のレシピ検索・閲覧データの分析を行った。

ユーザーがどんなキーワードでレシピを検索したかという調査では、地震発生当日は「ご飯」「鍋」「土鍋でご飯」「白米」「炊き方」というワードが上位5位を占めた。これは北海道全域で大規模停電が発生し、炊飯器が使えなくなったため、土鍋や圧力鍋などを使ってコメを炊く方法が検索されたと思われる。

ところが、その2日後以降の8日と9日には検索ワードの2位に「パン」がランクイン。1位は「簡単」というワードで、「ご飯」「白米」などはランク外になった。

震災発生3日前の検索数と比較した「検索増加率ランキング」では「手作りパン」が3位に。その他、「ベーキングパウダーなし」「ホームベーカリー」「手捏(こ)ねパン」などのワードも急上昇した。また、「パン」と合わせて検索されていたワードとしては「フライパン」「牛乳なし」などであることがわかった。

これらのキーワードを総合して考えると被災地域の方々は「パンを使った料理」を知りたいのではなく、「パンの作り方」そのものを知りたいということが分かってきた。どうやら停電によってパンの生産・入荷が止まり、スーパーなどで品薄になったようである。

しかし、私はちょっとふに落ちないところがあった。パンを食べたい気持ちも分からないではないが、こんな非常時に手間のかかるパンなんて作らなくてもいいではないか。どんな家でもコメの備蓄くらいあり、それが震災後2日で底をつくとも思えない。

「パンがなかったらケーキを食べればいいじゃない」と言ったマリー・アントワネットのように(実は言っていないという説もあるが)、正直なところ「パンがなければご飯を食べればいいじゃない?」と思ったのである。

その疑問をクックパッドにぶつけてみると、非常に納得できる答えが得られた。

食や暮らしのトレンドを発信する「クックパッドニュース」の編集部が災害医療スペシャリストの石井美恵子さんを取材したところによると、当時被災地ではコメが品切れになって手に入らなかったとのこと。農家では玄米の状態で備蓄している家庭も多く、停電で精米機を動かせなければコメがないも同然。白米を買うしかなく、スーパーなどでコメが品切れになった。そのためご飯の代わりにパンを作ろうという発想になったのではないかということである。

なるほど、こうした話を聞くと食材はただやみくもに備蓄しておくだけではダメなのだなと考えさせられる。「電気が止まった場合」「ガスが止まった場合」などライフラインの状態を想定しながら、そんな状況の中でも調理して食べられるような備えが必要だ。

そうすると実は「パン」は防災時の主食として「ご飯」よりもアドバンテージがあるように思う。なぜなら、パンはコメに比べて少ない水で作ることができるからだ。コメは炊く前に水を使ってとがねばならず、水道が止まった際には備蓄してあるペットボトルの貴重な水を使うのがはばかられる。「私は絶対にご飯党!」という人は「無洗米」を備蓄しておこう!

それでは、防災の日をキッカケに電気・ガス・水道がすべて止まった場合を想定して、パンを作ってみよう。教えていただいたのは『ポリパン! ポリ袋でつくる、オーブンのいらない世界一かんたんなパン』(学研プラス)などの著書がある梶晶子さん。梶さんはポリ袋で生地を作るパン「ポリパン」の考案者で、その普及を行う一般社団法人ポリパンスマイル協会の代表理事である。東北、熊本などの被災地でも「ポリパン」作りを教えてきたという。

作るのはイタリアの平たいパン「フォカッチャ」。多くのご家庭にあると思われる卓上カセットコンロとフライパンを使用する。

<材料>

薄力粉 50グラム / 強力粉 50グラム / 塩 小さじ4分の1 / 砂糖 小さじ1~2 / 水 60グラム / インスタントドライイースト 小さじ4分の1 / オリーブオイル 大さじ1

<作り方>

(1)器などに水を入れ、そこにドライイーストをふり入れ、2~3分おいてから混ぜる。すぐ混ぜるとダマになるので、少し時間をおくのがポイント

(2)薄力粉、強力粉、塩、砂糖をポリ袋に入れ、空気を入れて袋の口を閉じてシャカシャカ振る

(3)(2)に(1)とオリーブオイルを入れて、再び空気を入れてシャカシャカ振る

(4)ひとかたまりになったら、しっかり空気を抜き、ポリ袋の口を上のほうでしっかりしばる

(5)生地が2倍程度にふくらむまで放置(速く発酵させたい場合は、腹巻き状のものを使っておなかに入れて温めたり、日なたに置いたりするとよい)

(6)発酵した生地をポリ袋から出し、オリーブオイルを塗ったフライパンの上に乗せる。オリーブオイル(分量外)をつけた手で2~3センチの厚さになるように平たく成形する

(7)フライパンの蓋をして2倍くらいになるまで再び放置

(8)ふっくらしたら塩をパラパラとひとつまみとオリーブオイル大さじ1(分量外)くらいをふりかけて、指で数カ所穴を開ける

(9)蓋をして卓上カセットコンロを点火し、強火で1分、弱火で12~15分くらいきつね色になるまで焼く。ひっくり返してもう一面も弱火で同じくらいの時間をかけてきつね色になるまで焼いて、できあがり

<次ページではゆでパンに挑戦>

梶さんによれば「粉は家にあるものでOK。パンに向くといわれる強力粉だとモチモチの食感になり、薄力粉だとフワフワの食感になります。冷蔵庫にオリーブやソーセージがあったら、スライスしてフライパンで焼く際に10片くらいを生地に埋め込むなどのアレンジもできます」とのこと。

横で調理過程を拝見したところ、1時間もかからずにできてしまう手軽さに驚いた。しかも、ボウルや台の上でこねたり、粉を敷いて成形したりなどの工程がないので、粉も飛び散らず洗い物も少なく、まさに非常時の調理にピッタリ。

試食したところ、外はカリッと中はモチッとしていてまさに絶品! こんなに簡単でおいしいのなら、非常時だけじゃなく普段からこの方法で作りたくなる。「発酵させた生地をそのままゆでて『ゆでパン』にするのもおススメです。その場合は、水を入れた鍋にポリ袋ごと生地を入れ、点火して水からゆで、沸騰したら片面10分ずつゆでます」と梶さん。

ゆでパンは手もフライパンも汚れず、フォカッチャよりもさらに手間要らず。水道が使える状態ならばこれも試してみたい調理法だ。

「ジッパー付き食品保存袋は発酵させている間に口が開いてしまうので、袋の口をしばれる普通のポリ袋のほうがいいです。ゆでる場合は高温に強い『高密度ポリエチレン』使用のポリ袋を使ってください」(梶さん)

1つの調理方法だけでなくさまざまな調理法を知っておくことも防災上、大切だ。クックパッド広報部によれば「2016年4月14日に発生した熊本地震では長く続く余震が特徴的でした。そこで余震時の火災を防止するためにガスを使わない電子レンジ調理が注目されました」とのこと。

余震があるときには卓上カセットコンロとフライパンではなくホットプレートやオーブントースターを使うなど、状況に応じて調理方法を賢く選択しよう。そのためには複数の方法で調理ができるように普段から「予行演習」をしておくといいだろう。

クックパッドでは8月下旬に『クックパッド 防災レシピBOOK』(扶桑社)を刊行。この中にもポリ袋調理のレシピが多数紹介されている。防災の日を機会に食材備蓄庫や防災袋の見直しをするときには、ポリ袋を加えてみてはいかがだろうか。

(ライター 柏木珠希)

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