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スパイシーラーメン、辛みの中に個性の粋 新橋・築地

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NIKKEI STYLE

前回、今年は「鶏清湯」が大ブレイクしていると書いたが、ブーム突入前夜といった様相のラーメンジャンルが、もうひとつある。それが、いわゆる「スパイシーラーメン」だ。

ごく簡単に言えば、辛いラーメンのこと。共通項は「辛みがある」ことだけで、バリエーションは実に様々。すっかりメジャーな存在となった「汁なし担々麺」から、最近、急速に勢力を拡大しつつある「麻婆(マーボー)麺」まで、百花繚乱(りょうらん)状態だ。

今回は、そんなスパイシーラーメンを提供する優良店3軒を厳選して紹介したい。対象エリアは都内中央区・港区の2区に絞り込むこととした。

郭政良味仙 東京ニュー新橋ビル店

<新橋に凱旋した、名古屋のご当地麺「台湾ラーメン」の魅力>

新橋駅かいわいでおなじみの存在といえる「東京ニュー新橋ビル」。昭和の雰囲気が色濃く漂う飲食店・雑貨店が所狭しと立ち並ぶ、中高年サラリーマンの「聖地」だ。

「郭政良味仙東京ニュー新橋ビル店」は2019年3月、そんなビルの一角に突如として出現した「台湾ラーメン」の専門店。

ここで「台湾ラーメン」について簡単に説明しておきたい。

同ラーメンは台湾ではなく、名古屋生まれのご当地ラーメン。同市今池の中華料理店「味仙」で、同店の創業者である台湾出身の郭明優氏が故郷・台湾の担仔麺を基に、独自に開発した辛系ラーメンが台湾ラーメンの元祖だ。スープに辛い味付けを施したのは、辛みを愛する人が多いという名古屋の土地柄を考慮したという。同ラーメンが開発されたのは1971年で、1980年代に名古屋市を中心にブレイク。今では、同市内の多くの飲食店で提供される定番メニューとなっている。

「郭政良味仙」は、そんな郭一族の末弟が経営する店舗。もちろん、同店が提供する台湾ラーメンは紛れもなく元祖直伝の1杯だ。

さて、同店が提供する料理は、麺類以外も含めれば48種類。一品料理も多数用意しており「飲み」目的での利用も可能だが、まず召し上がっていただきたいのは、不動の看板メニューとして君臨する「台湾ラーメン」。

丼こそ、本場のスタイルを踏襲した小ぶりなものだが、味はワイルドそのもの。スープの骨太な辛みが、身体中から大量の汗を噴き出させる。舌上で絶え間なくクロスオーバーする、タレの甘みと香辛料のうま味も必体験だ。

トッピングは、トウガラシとニンニクをビシッと利かせた「台湾ミンチ」と、鮮度の高いニラ。とりわけ、かみ締める度に味蕾(みらい)に染み入る台湾ミンチの奥深いうま味は、台湾ラーメンのイロハを知り尽くした「味仙」だからこそ成せる業だ。

同店は、定番の「台湾ラーメン」のほか、辛みを抑えた「アメリカン」、激辛仕様の「イタリアン」など、食べ手の辛み耐性に応じた幅広いラインアップを取りそろえている。何人かで足を運び、食べ比べに興じるのも良いだろう。

スパイス食堂サワキチ東京築地店

<麻婆麺で東京に殴り込み。大阪がシビれた人気店>

18年12月に大阪・心斎橋の地に産声を上げた「スパイス食堂サワキチ」。

関西圏においてはいまだ珍しい存在である「麻婆麺」を看板メニューに掲げ、瞬く間に浪速っ子からの絶大な支持を獲得。19年4月24日には大阪・東梅田に2号店を出店し、その僅か1カ月半後の6月8日に都内へと進出。

1号店がオープンしてから約半年での東京出店は、まさに破竹の勢い。店内で飛び交う威勢の良い関西弁が、まるで同店の勢いの良さを象徴しているようだった。

同店が提供する麺メニューは4種類あるが、初訪問時に召し上がっていただきたい基本メニューは、「豚骨麻婆麺」。

豊潤でコクのある濃厚豚骨スープにおびただしい分量の麻婆豆腐をオンする構成は、既に麻婆麺が市民権を獲得しつつある都内においても中々レア。通常、麻婆麺は鶏ガラや煮干しからだしを採ったあっさり系スープに麻婆をぶっ掛けるのが定石だ。そこを、あえて引きが強い濃厚豚骨スープと合わせることで、「サワキチ」ならではのオリジナリティーをキッチリと確保している。

麻婆と豚骨スープは共に個性が強いので、丼の中でうま味がケンカするのではないかと思われるかもしれないが、そんな心配は全くの杞憂(きゆう)。同店の豚骨スープは豚特有の臭いを徹底的に抑え込み、最大限の甘みとコクを演出したもの。むしろ、ほのかな甘みが麻婆の辛みを一層引き立たせ、深みのあるコクが麻婆のうま味を増幅させる役割を担っている。

麺についても、押さえどころをしっかりと押さえている。鏡面のように滑らかな麺肌が拾い上げる麻婆&スープの分量は、思わず驚きの声を上げそうになるほどドッサリ。麻婆豆腐の生命線でもある豆腐とひき肉の大きさも、物足りなさを全く感じさせない。

担々麺つるや

<これぞ、ザ・穴場店。新橋駅から徒歩2分のビルに超実力店>

その存在を見逃していたことは、不覚としか言いようがない。

カウンター席で対峙した丼から麺をつかみ取りズズっとすすり上げた瞬間、猛烈な恥じらいの感情がこみ上げた。紛れもない。ここまでハイレベルな店が誕生していたことを看過していた自らの不勉強を恥じ入るしかない。

その店の名は「担々麺つるや」。18年10月25日に産声を上げていた。ロケーションは多数の飲食店が軒を連ねる新橋2~4丁目かいわいの路地裏。こぢんまりとしたビルの3階にひっそりとたたずむ店舗は現場を通り掛かったとしても、見過ごしてしまうほど目立たない。

同店が提供する麺メニューは屋号が示すとおり、「担々麺」と「汁無し担々麺」の2種類。先般、人手が足りずに閉店した赤坂の人気店「東京麻婆食堂」の移転リニューアルであり、現在は、店主がワンオペで厨房を切り盛り。私が足を運んだ時点で、既にしっかりと固定客を確保できているようで、キビキビと無駄のないオペレーションを遂行しながらも、お客さんへの配慮を欠かさない店主の姿が印象的だった。

いずれのメニューも甲乙が付けがたい水準の高さを誇るが、本場・中国四川省の味わいを堪能したいのであれば、発祥時の原型をとどめた「汁無し担々麺」が鉄板チョイスだろう。

注文時に、辛さのランクを「控えめ」「普通」「辛め」の三段階から指定することが可能。

いずれの辛さランクにおいても、味蕾を突き刺す「辣(唐辛子&ラー油)」の辛みと、電流のようにピリリとしびれる「麻(花山椒)」の辛みが口内で真正面からぶつかり交錯。幾ばくかの間隙を経て、いずれか一方だけではたどり着けない「辛ウマ」の極致へと至る、ダイナミズムに満ちあふれた味構成だ。

日本式担々麺でデフォルメされがちなゴマの甘みをあえて脇へと退かせ、香辛料でしか表現し得ない「辛みの中に潜む甘み」を演出する。粘度をしっかりと確保しながらも、軽妙な食べ口を実現するなど、センスの良さもキラリ。

優秀なのは担々ソースだけではない。ソースとタッグを組ませる麺も、モッチリした食感と滑らかな麺肌とが相まって、食べ手に揺るぎのない好印象を刻む逸品。

いずれのパーツも驚くほど緻密かつ丁寧に作り込まれ、互いの持ち味を引き立て補完する。ちょっとしたきっかけさえあれば、一気にブレイクする可能性を秘めた期待の新鋭。足を運ぶのであれば、今がチャンスだ。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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