「サングラスをかけた写真が出たでしょう。僕に言わせれば、あの写真くらいが、世間のイメージ通りでちょうどいい。でも素顔のジャニーさんは、体が小さいし、垂れ目で、しゃべり方がやさしくて、あれだけのことをやった人には見えないんです。上から目線の言葉もゼロでした。自分の身の丈以上の言葉を口にしない。『あいつ、生意気になったよな』ってジャニーさんに言わせようとカマをかけたときもありましたが、全くダメでした。立ち居振る舞いも、すすすす、といつも目立たぬように素早く歩き回っている感じで、それをお付きの人が追いかけるなんてこともなかった」

素顔のジャニーさんは体が小さく、垂れ目で、しゃべり方がやさしかったという

――偉そうにするところがなかったんですね。じゃあ、ジャニーさんはどんな人ですか、と聞かれたら、どんな言葉で表現しますか。

「良い人、っていうんじゃないな。都会の粋な人、だな。あるとき中居(正広)くんが僕の映画に出てくれたんですけど、お出ししたギャラが安かったんです。それで申し訳ないなってことで、お礼を持って参上したんですよ。そしたら、『そんなもん持ってきたらダメ』ってピシリと言ったかと思うと、ぱっと立ち上がって、『おーい、お茶用意してよ』とかなんとか。その『間』のずらしかたがね。いいんですよ。そこで、ジャニーさんの術(すべ)を見たようでした」

――人との接し方というか、人づきあいの術といったものでしょうか。

「森光子さんに似ていましたね。森さんって誰かにプレゼントを渡すとき、マネジャーに託して帰っちゃう。ありがとうと言わせないの。ジャニーさんもそう。親切にしてあげた、ということを相手に気付かせないうちに、すっと引いちゃう」

「笑いのセンスあるやつがいる」 デビュー前のSMAP託される

――そもそもはマージャン仲間として知り合い、テレビの絶頂期に親交を深められました。

「50年くらい前、僕が日劇の舞台によく出ていた20代後半のころ、マージャンで出会って。とてもスマートな方なので、外国帰りの人かな、振付師かな、なんて思っていました。しばらくして、テレビ朝日の『欽ちゃんのどこまでやるの!』をやっていたときに、ジャニーさんが毎週、楽屋に顔を出してくれるようになったんです。あとでわかったんだけど、ジャニーさんはそのとき、方向転換しようと考えていたんですね」

――アイドルビジネスの方向転換ですか。

「ジャニーさんはこう言っていました。『歌をうたってレコードが売れる。でも、その人気に頼ってアイドルの番組をやっても、どうもうまくいかない』って。だからそのとき、番組を転がせて、お笑いができて、数字もとれるようなグループを育てたいと考えたんでしょう。それで僕のところに何人かを修業がてら送り込んできたんです。でもね、当時は『歌手にお笑いをさせたら損をする』、お笑いはむしろ避けろ、という時代ですよ。ジャニーさんは先を見越していたんだね。これからはお笑いだ、と」

「ジャニーさんが『うちにも笑いのセンスあるやつがいるよ』って言って送り込んできたのが、デビュー前のSMAPでした。僕もちょうど、お笑いの若い人を見つけたいと思っていたときで、とりわけ私と同じ修業をしている人を探していた。それは踊りだったの」

■お笑いの「間」はすべて踊りで覚えた

――踊りとお笑いには共通点があるんですか。

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