9千円のお手軽翻訳機 専用機の実力でスマホより便利
若いころの自分に何かアドバイスするとしたら?と尋ねると、多くの人が「英語をしゃべれるようにしておけ」と答えるという。
とはいえこのIT(情報技術)時代、便利な携帯翻訳機に頼るのも手だ。昔は端末内に辞書や翻訳エンジンを内蔵していたため機能や精度に限界があったが、今はクラウド上の翻訳エンジンを利用する製品が主流。エンジンは日々学習して進化するため、性能は格段に向上しているという。
そんなわけで気になっていた携帯翻訳機のうち、マウスコンピューターの「TL01」を試用する機会を得た。液晶画面がないなどシンプルな作りだが、1万円未満という手ごろさが魅力の製品だ。最初の設定は、スマホの専用アプリで行う。TL01はWi-Fiのみに対応するので、出先や自宅のWi-Fiにつなぐか、スマホのテザリング機能を利用して使う。
「Me」ボタンを押しながら日本語で話し、ボタンを離すと、翻訳された外国語の音声が流れる。次にマイク印のボタンを押し、相手にしゃべってもらうと、翻訳結果の日本語が流れる。
ただし、フレーズが長くなると全部を聞き取れず、一部しか翻訳されない場合が多い。1文ずつ簡潔に会話を進めるのがコツだと感じた。スマホアプリで会話の履歴を参照できるので、確認しながら話すことも可能だ。
スマホの翻訳アプリを使えばよいのでは?と思う人がいるかもしれない。だが、操作がシンプルで誰でも使える、大きなスピーカーで翻訳が聞き取りやすい、スマホで地図を見たりしながら会話できる、などの利点は専用機ならではだと感じた。
[注]翻訳機中央のボタンでも、相手側の言語を英語→中国語→フランス語→韓国語のように切り替えられる。
(ライター 青木恵美)
[日経PC21 2019年10月号掲載記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。