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JAL初のエアバス機A350 こだわりのポイントは

連載 ヒコーキに恋して

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NIKKEI STYLE

9月1日、日本航空(JAL)が羽田―福岡線で運航を始めた「エアバス350(A350-900)」。10月からは羽田―新千歳線、2020年2月には羽田―那覇線にも導入が予定されているA350は、JALとしては初めて採用したエアバス機としても注目されている。導入の経緯、そしてA350の特徴を知ろうと、飛行機が大好きな女子アナウンサー、貞平麻衣子さんがJALを訪ねた。

◇  ◇  ◇

テレビCMなどでご存じの方も多いかもしれませんね。いよいよJALの次世代を担う「エアバス350(A350)」が国内線に就航しました。A350は、導入からおよそ20年にわたって運用されてきた「ボーイング777(777)」に代わる、これからのJALを代表する機材です。

記念すべき節目を前に、ここだけの話を聞きたい! ということで、品川の天王洲アイルにあるJAL本社へお邪魔しました。実は私にとって、ここに来るのはなんと入社試験以来。まさか取材でこうして再訪できるとは、人生わからないものです。

JALの機内で提供されるオリジナルドリンク「スカイタイム」を飲みながら、今回、A350について話をうかがったのは、導入決定からプロジェクトに携わった日本航空経営企画本部経営戦略部機材グループの横田敦さん。ここまでの苦労、そしてA350の魅力について教えていただきましょう。

旅客機選びの重要ポイントは「燃費」

貞平 2013年の導入決定から、国内線での就航までおよそ6年。飛行機ファンとしては長かったなというイメージですが、横田さんとしてはどんな6年でしたか?

横田 あっという間の6年ですね。

貞平 あっという間でしたか。そもそもどういう経緯でA350を導入することになったのでしょうか。

横田 新型機の導入はタイミングが大事です。旅客機にも使用できる年数に限度があります。これは航空会社によっても異なるのですが、JALとしては15~20年程度を機材更新の目安としているため、今主軸となっているボーイング777に代わる次の飛行機を決めなくてはならなくなりました。このタイミングで導入できる新型機として、最終的にエアバス社のA350に決めました。

貞平 JALとしては、エアバス社の機材導入は今回初めてですよね。素人考えでは、これまでと同じボーイング社の新型機のほうがスムーズに行きそうな気がします。それがエアバス社に決定したというのは航空ファンにとっても驚きでした。決め手となったのは?

横田 安全性はもちろんのこと、多角的な面から時間をかけて検討したのですが、最大のポイントは経済性です。貞平さんもご存じかと思うのですが、旅客機は休むことがほとんどないのです。

貞平 1日6往復とかするんですよね。

横田 しかも、それを15~20年程度使うわけですから、旅客機を選ぶとき、燃費などは重要な要素になります。

貞平 確かに20年間ずっと飛び続けるわけですから、燃費の違いでトータルのコストも大きく違ってくるわけですね。

「そこも選べるのか」 自由度の高さに驚き

貞平 初めてエアバスの旅客機を導入するにあたり、戸惑ったこととかありませんか?

横田 これまでJALが導入してきたボーイング社の飛行機は、標準仕様があり、そこから要るもの要らないものを決めていくシステムでした。ところがエアバス社は「お好きなものをお好きなだけどうぞ」というシステム。機体はA350と決まったものの、その機体の中身はゼロからの選択でした。たとえば客室乗務員が座るシートも選ばなくてはいけないのです。そこも選べるのかと驚きました。

貞平 まるで注文住宅ですね(笑)。それはなかなか大変そう。でも、その分、できることも多いんでしょうね。

横田 はい。だからこそ細部までこだわりました。ぜひ機内の隅々まで見てほしいですね。

海外から見た日本の伝統美

横田 今回、A350で意識したテイストは「日本の美意識」です。たとえば搭乗口に配置した「鶴丸」のロゴ。これは玄関をイメージしています。

貞平 日本家屋の玄関と搭乗口を重ねたというわけですか。

横田 実は今回の内装デザインは英国のデザイン会社に依頼しています。海外の方の目線も含めた日本の伝統美の表現を追求しました。海外のお客様の利用は年々増えています。機内に一歩足を踏み入れた瞬間から、日本の美や心地よさを感じてほしいと思っています。

貞平 まさに日本を代表するJALの「お・も・て・な・し」ですね。おもてなしといえば、今回ついに国内線全席にモニターが搭載されましたね、これはすごくうれしいです。待ってました!

横田 「国内線は飛行時間が短いから必要ないのではないか」という声もありましたが、国際線のように視聴に時間のかかるプログラムではなく、短い時間でも楽しめるコンテンツを中心に楽しんでいただけたらと思っています。

貞平 国内線の搭乗時間って数十分から数時間ですが、それでも個人モニターがあるとうれしいんです。機外映像、飛行機の外のライブ映像が見られたり、今どこを飛んでいるか地図が見られたりするじゃないですか。

横田 モニターを使ってご覧いただきたいのが、垂直尾翼に設置した機外カメラからの映像です。新感覚を味わえると思いますので、ぜひお楽しみいただければと思います。

貞平 尾翼カメラ! あれ、どうしてみんな付けないんだろうって思っていたんですよ。海外の航空会社を利用したときに、その臨場感に感動したんです。尾翼カメラの映像は、機体と左右に広がる翼の向こうに地上や空や海が見えて、「本当に飛んでいます」感がすごいんですよ。これはうれしい! JALさん、本当にありがとうございますと言いたいです。

横田 今回かなり議論を重ねたのが、各クラスの座席です。おかげさまで、これまでJALの座席は座り心地がいいと好評をいただいていました。これだけ好評な座席を替えるか、替えないか。私を含め皆が本当に迷うところでしたが、社内検討の結果、一新しました。現在の好評な座席を超える座り心地が実現できたと思ったからです。ぜひその座り心地にご期待ください。

貞平 ぜひ体験してみます。これまでは明るいカラーだったファーストクラスも、A350はモノトーンカラーの落ち着いた雰囲気ですね。

横田 ファーストクラスには国内線として初めてマッサージ機能をつけました。これに対しても本当に必要かと懐疑的な意見もあったのですが、付いていればうれしい機能ですよね。心地よく快適に旅するだけでなく、疲れも癒やしてもらいたいというこだわりです。マッサージ機能、とてもいいですよ。

貞平 とてもいいんですか。これも体験したいなあ。でもファーストクラスだからなあ(笑)。

座席上の収納にアシスト機能が

横田 次世代機にふさわしいこだわりが、頭上の荷物入れ、オーバーヘッドコンパートメントです。機内持ち込み可能なキャリーバッグを立てて5つ入れられる、大型サイズを導入しました。

貞平 最近キャリーバッグを機内持ち込みにする人が増えた気がします。以前はビジネスマンなど、到着したら荷物を持ってすぐに仕事に飛び出したいという一部の乗客が持ち込む印象でした。今はみんなが機内に持ち込むから、荷物入れがすぐいっぱいになっちゃう。荷物入れが大きくなるのはうれしいですね。

横田 お客さまの旅のスタイルも変わってきました。そんなニーズに応えるための拡大ですが、同時に懸念したのが荷物入れの重さでした。5つもスーツケースが入ると、荷物入れを閉めるときに手にかかる重さは相当です。客室乗務員の負担にもつながります。

そこで、荷物入れにサポート機能を付けました。荷物入れを閉めるために手で少し持ち上げると、その動きを察知した電動アシスト機能が働き、少ない力で上に持ち上げ閉めることができるようになりました。

貞平 それって、電動アシスト付き自転車のペダルのようなシステムですね。少し踏み込むとその力が増大されて、楽に自転車が前に進むっていう、あの感じですね。

横田 イメージとしてはかなり近いと思います。ただ、エアバス社に「こういうサポート機能を付けたい」と最初に申し入れたときは、あまりピンと来ていなかったようです。考えてみれば、日本人と欧米人とでは体格が違いますよね。

貞平 体が大きな人も多いから、エイヤって閉じられちゃうわけですね。

横田 「閉じられるでしょ」と考えているから、「いや、そうじゃないんだ、日本ではこれが必要なんだ」と一生懸命にその必要性を伝えて、無事に導入することができました。

貞平 働く人にも優しい機能ですね、あの頭上の荷物入れって、いっぱいになったから扉を閉めようと思っても、CAさんみたいにうまく押し上げられず、「あれっ、閉められない」ってことありますよね。閉められないと恥ずかしいから最近はCAさんに任せようと最初からあきらめているんですが、そんな機能が付いたのなら、今度からは率先して閉めます! どんな感覚なのか、楽しみ(笑)。

「ゾロマスク」に注目

貞平 A350は9月1日から羽田-福岡線に就航して、現在ボーイング777が就航している札幌線や那覇線への導入が予定されています。初号機から3機は特別塗装なのでチェックしに行くのも楽しみにしているんですが、通常塗装A350の空港での見つけ方を教えてください。

横田 まずは左右に広がる翼の先、「ウィングレット」の色です。先端が上に湾曲しているのですが、その赤い塗装が目印です。

貞平 このデザイン、機内からもよく見えますね。青い空に白く伸びる翼と先端の赤いウィングレット、インスタ映えしそうです。

横田 空港の展望台や施設から見るときには、飛行機を前方から見る機会も多いと思います。そんなときには飛行機の顔、コックピットの窓デザインに注目してください。

貞平 コックピットの窓ですか。

横田 はい。この窓は「ゾロマスク」と呼ばれています。サングラスをかけているかのような色とデザインが特徴的です。

貞平 (A350の模型を見ながら)なるほど、仮面を付けているみたいにも見えます。ゾロマスクという名前は映画で有名な「快傑ゾロ」から取ったんでしょうね。かっこいいです。

横田 旅客機に詳しくない人でもすぐに分かると思います。ぜひ探してみてください。

貞平麻衣子
1981年3月16日生まれ、O型。元地方局アナウンサー。現在はホリプロに所属し、NHK-FM「クラシックカフェ」などを担当。趣味は、飛行機と愛犬とビールと旅。一人旅でアマゾン川のピラニアを釣ったり、愛犬を連れてパリに行ったりするなど、大の旅好きでもある。

(写真 吉村永)

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