広がる「手数料なし」投信 資産残高10年で4倍強QUICK資産運用研究所 高瀬浩

写真はイメージ=123RF
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購入時に販売手数料のかからない「ノーロード型」投資信託の人気が高まっている。「購入手数料はかからない」と目論見書に明記している投信の純資産残高は2019年7月末で9兆円近くに達し、10年前の4.5倍になった。老後に備えて低コスト・長期で資産形成をするニーズが強まっているためだ。販売手数料が制度上ゼロの確定拠出年金(DC)や積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」を利用する人が増えていることもこの流れを加速させそうだ。

制度改正が後押し

投信の目論見書では手数料の記載が必ずあり、「購入手数料はかからない」「上限は何%」などと示している。手数料率をいくらにするかは投信を販売する銀行や証券会社など金融機関それぞれの判断に任せられており、手数料を取る場合は購入額の2~3%程度が多い。

手数料なし投信の純資産残高はグラフに示すように年々拡大傾向にある。19年7月末時点で8兆8200億円と18年末時点に比べ1兆円以上多く、投信の本数は900本あまりとなった。中心となっているのは約480本のDC専用ファンドで、残高は5.5兆円にのぼる。

DCに関しては17年から公務員や主婦も個人型DCに加入できるようになった。また18年の制度改正で金融機関は元本確保型の品ぞろえが義務ではなくなり、加入後に自分で運用商品を決めない加入者の資金を自動的に振り向ける「初期設定商品」を投信に切り替える動きが相次いでいるため、DC向け投信の資産残高は今後も増えていく公算が大きい。

つみたてNISAも制度上、販売手数料はなしと定められている。加えて投資対象となる投信は運用コストに当たる信託報酬に上限値が設定されるなど金融庁が定めた厳しい条件が課され、指数連動型のインデックス投信が主体になっている。上のグラフで、つみたてNISAの対象となっている投信の残高は19年7月末で1.6兆円だ。

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