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話し上手は聞き上手 会話上達のカギは相手の関心事

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NIKKEI STYLE

日経doors

新しい人脈をつくる。相手との信頼関係を築く。相手から学びを得る。すべての基本にあるのが「会話」。でも「会話に自信がない」という女性はとても多いのです。エクササイズを通して「会話下手」意識を解消しましょう。

「会話に自信がないんです」と言う人はたくさんいます。何を話せばいいのか分からない、気の利いたことが言えない、相手と分かり合えた感じになれない、など。そこで、会話下手の自覚をどう解消できるかにフォーカスします。

最初に、もしあなたが「自分は会話が下手」と思っているなら、そのマインドセットについてまず考えてみてください。

あなたは、誰と比べて「会話が下手」だと思うのですか? 同僚ですか? 友人の誰かでしょうか? 思い当たる人がいますか? もしかしたら、実際は下手なんてことはないかもしれません。

もし「とても会話が上手な○○さんに比べて、自分はダメ」と具体的に思い当たるなら、その人の今までの経験や勉強、練習の機会はどうだったのでしょうか。生まれつき話し上手な人はそれほどいません。その人の経験値や努力の蓄積と自分のそれは当然違うのだから、現在の自分を責める必要はありません。

次にお聞きしたいのは、どれくらい会話が上手になる必要があると思ってるか?という点です。 いつ、どの段階で「これで十分なレベルです」と言えるのでしょうか? それをあまり考えずに、単に「自分はダメ」と思っているだけではないでしょうか。

もう一つ、私たちが「会話が難しい」と思う理由があります。人間ははるか昔から群れで生活をしていました。厳しい環境や天敵から生命を守るために、群れに受け入れられることはとても重要なことでした。だから今でも、周りの人たちが自分をどう考えているか、受け入れられるかどうかに敏感に反応する脳の仕組みが残っています。会話が必要以上に難しく感じられるのはこのためでもあります。

では、どのようにすれば会話上手に近付いていけるでしょうか。

面白い話題を出さなくてはいけない?

実例を見ていきましょう。デール・カーネギーの有名な著書『人を動かす』の中に、こんなエピソードがあります。

カーネギーはあるパーティーで、有名な植物学者と知り合います。その植物学者が語るさまざまな植物の話にカーネギーはすっかり魅せられ、何時間も話を聞き続けました。別れぎわに植物学者はパーティーの主人に向かって、カーネギーは「世にも珍しい話し上手」だと褒めちぎったのですが、植物の知識がないカーネギーは心から面白いと思いながら聞いていただけで、実際はほとんど話してはいませんでした。

カーネギーは単に相手が話す「スペース」をつくり、聞いていただけです。これがまず会話上手な人の重要な要素です。人は自分のことを話す機会があるとうれしいし、相手が自分に興味を示してくれるのがうれしいものです。そこでのポイントは、自分ではなく、相手が興味を持つテーマが何なのかを把握することです。自分から面白い話題を出さなくてはいけない、というプレッシャーは必要ないのです。

好奇心を持って質問する

スティーブン・R・コヴィーの著書『7つの習慣』の中に、次の有名な言葉があります。

「Most people do not listen with the intent to understand; they listen with the intent to reply.」(たいていの人は、理解しようとして聞いていない。返答をするために聞いている)

だから、相手の話の内容に耳を傾け、興味を持って質問する聞き手はとても歓迎されるのです。

日本人の場合は、「Most people listen to keep harmony」(空気を読み、場の調和を乱さないために聞いている)という傾向があると思います。一般的に、日本人はあまり質問をしません(質問したら相手に失礼に当たるとか、話の腰を折ってしまうかもと考える伝統があるのかもしれません)。会話では相手が言っていることをよく聞いて、質問をしてもっと話してもらい、自分にも似た経験などがあればそれをシェアして共感するのもいいですね。

ただし、自分の経験のほうが相手よりもずっとレベルが上だったり面白そうだったりする場合は、シェアするのは控えておきましょう。共感したくて話したのに、相手がしゅんとなってしまうことがありますから。

相手の興味は「オープン・クエスチョン」で把握

では、どのような質問をすればいいのでしょうか。

みなさんは「クローズド・クエスチョン」と「オープン・クエスチョン」という言葉を聞かれたことがありますか? クローズド・クエスチョンはその答えが「Yes/No(はい/いいえ)」、または決まった内容(名前、職業など)になる質問。オープン・クエスチョンは、その答えを回答者が自由に考えて答える質問です。

相手に質問をするとき、お勧めなのは、相手がたくさん話しやすいオープン・クエスチョンです。でもこれは意外に難しいのです。

もうかなり以前になりますが、私自身がコミュニケーションコーチのセッションを受けたとき、こうした話が出て、その先生がちょっと質問の練習をしましょうと言いました。その場で私がいろいろ考えて質問をしてみたのですが、なんとそのほとんどがクローズド・クエスチョンでした。例えば「今日は電車で来たのですか?」「和食はお好きですか?」など……。自分が普段、どれほどクローズド・クエスチョンで質問をしているか全然気づいていなかったので、本当にびっくりしました。

相手の話すテーマに対して、知りたい! という気持ちを自ら引き出して質問すると、自然にオープン・クエスチョンになってきます。小さい子どもは何に対しても「どうして? なぜ?」と自然にオープン・クエスチョンをしますね。いろいろ知りたいという子どものような好奇心を持てるといいですね。

例えば、何かのセミナーの場で同席した人と会話をするとします。

・「あの講師の話、面白いと思いましたか?」⇒ クローズド・クエスチョン
・「どの部分が特に面白いと思いましたか?」⇒ オープン・クエスチョン
・「お仕事は何をされているのですか? そのお仕事でどんなことが一番面白いですか?」⇒ クローズド・クエスチョン+オープン・クエスチョン

いきなりオープン・クエスチョンで聞かれると戸惑うこともあるので、クローズド・クエスチョンでスタートしてからオープン・クエスチョンにしていけば、相手がどのような人で、何に興味を持っているのかが分かってきます。

相手のペースに合わせると会話が心地よくなる

会話をするときは相手の反応を見ながら、相手が喜んで話していることを聞きますが、中にはシャイであまり積極的に話をしたくない人もいます。その場合は、沈黙の時間があるのも別に悪いことではありません。

あるいは、会話のスピードを相手に合わせていくのもいいですね。相手が元気で早口なら自分もちょっと元気で早口に、相手がゆっくりめな人だったら自分もゆっくりめにします。これは「ペーシング」といい、相手との間にラポール(相互に信頼できる状態)を築く方法の一つです。これができると、お互いに心地よく会話ができます。最初は意識的に、慣れると無意識でもできるようになってきます。

◇  ◇  ◇

先日、一人で飛行機に乗ったときのことです。座席に座り、ポッドキャストを聴こうと思ってスマホを取り出し、イヤホンを着けようとしたとき、隣の席の男性が「あ、あなたはそれを聴くんですか。到着までの4時間、私と会話をしませんか?」と話しかけてきました。その男性はインド人で、イラン人の友人との二人連れでした。「いいですよ」と答えていろいろ話し始めました。何の仕事をしているのかと聞かれて「コミュニケーションコーチです」と答えると彼は「それはよかった! 実は最近、妻との関係があまりよくないのでアドバイスをお願いします」と言い、飛行機の中でのコーチングになりました。

その男性はものすごく元気な面白い人で、話すのが大好き。いろんなことを次々と話しまくりました。そこで私が『あなたはたぶん、奥さんの話をよく聞いていないんじゃないですか』と言うと、彼はハッとした様子で、思い当たることがあったのか急に涙ぐんでいました。

よいコミュニケーションのための会話の基本は「聞くこと」のほうにあるのです。自分のことばかり話していたら、そこから学ぶことは何もありません。これを忘れずにいれば、コミュニケーションを通じていろいろな考え方を吸収し、多くの気づきが得られると思います。

実践!セルフエクササイズ



これは簡単ですが、かなり効果のあるエクササイズです。
 今日会った人と、「意図的な会話」をしてみましょう。相手の言っていることを聞いて、質問をします。自分の口から出てくる質問はオープン・クエスチョンですか、それともクローズド・クエスチョンでしょうか。クローズド・クエスチョンの場合は、その次に必ずオープン・クエスチョンをしてみましょう。

実際に試した結果も、ぜひ聞かせてくださいね。

岩田ヘレン
さすがコミュニケーションズ代表取締役。英国出身。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社などを経て2013年、さすがコミュニケーションズを設立。グローバル・ビジネスを想定した企業向けコミュニケーション・スキル研修などを実施。著書に「英語の仕事術 グローバル・ビジネスのコミュニケーション」(小学館)。Sasuga! Podcastも配信中。メールアドレス:helen◎sasugacommunications.com (◎のところを@に変更)

[日経doors 2019年5月30日付の掲載記事を基に再構成]

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