上司はためらわず使え 仕事の身近な解決策に潜むワナ(4)安易な手段

写真はイメージ=PIXTA
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「本質的な問題解決を妨げる9つのワナがある」。長くコンサルテンィグファームでマネージングディレクターなどを務めた米澤創一・慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授はこう指摘する。9つのワナのうち、思考習慣や思考スキルの不足から陥りがちなワナ5つを、同氏の近著「本質思考トレーニング」(日本経済新聞出版社)から紹介する。4回目は「安易な手段」というワナだ。

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問題の本質を正しく理解し、現状を把握し、予実差異(現状とあるべき姿とのギャップ)とその根本原因まで分析できたとします。根本原因に対して施策を打つ必要があるのですが、その際に、手近にある手段で満足してしまうことがあります。

問題に対してはある程度の効果があるところまではたどりつけているのですが、最後の詰めが甘いようなケースがこの「安易な手段」です。

少し調査すればより良い解決策が見つかるのに、調査せずに自分が知っている解決策を適用してしまったり、専門家組織の支援を受けずに、自分の身近にいるメンバーの支援で済ませたりしてしまうことなどが挙げられます。

これも前述した「答えそのものを求める」クセに近いでしょう。

身近にある解決策で良しとしてしまうのです。もちろん、身近にかなり良い選択肢がある場合もあります。その一方で、身近には適切な解決策がない場合だってあり得るのです。少なくとも身近な解決策以外の検討はしなければなりません。

また、解決策、手段を探す以外にも考えなければいけないことがあります。

自分の権限内だけではなく、より大きな権限を持っている人だったらどんな解決策をするかを想像してみることです。

例えば、上司に掛け合えば、制約条件を緩和したり、前提条件の変更をしたりすることが可能かもしれません。

そして、それができれば問題解決がずっとシンプルに、楽になるかもしれないのです。

本質的な問題解決が目的であり、自分で全ての問題を解決することが目的ではないのです。自分より上位の人の存在意義は、自分では解決できないことを解決できる、自分では変えられないものを変えられる可能性があるところだといっても過言ではありません。

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