MONO TRENDY

乗物でGO

スズキの名車「カタナ」が復活 扱いやすさにびっくり

2019/9/2

スズキの新型「KATANA(カタナ)」価格は151万2000円(消費税込み、リサイクル費用を含む)

2019年5月に国内販売が開始されたスズキの大型二輪車の新型「KATANA(カタナ)」。年間販売予定台数の1000台を早々にクリア、販売店からの受注数が2000台を超えるなど滑り出しは上々だ。近年、二輪の世界では過去の名車をモチーフにした新型車、すなわち「ネオクラシック」と呼ばれるカテゴリーが人気を集めている。カワサキのZ900RSは17年の登場以来、人気になっており大型バイクのベストセラーとなった。

新型カタナの「元ネタ」は1981年登場の「GSX1100S カタナ」。後に750ccや400cc、250ccまでバリエーションを拡大し、2000年まで販売されたスズキを代表する名車だけに、カタナの復活は同社ファンにはまさに待望だったといえる。ベースとなったのはストリートスポーツ「GSX-S1000 /F ABS」。新型カタナはエンジンやフレーム、フロントフォークといった主要パーツをほぼ共有する。

ベースとなったGSX-S1000 /F ABSと異なる点は、アップライトなポジションを可能にする幅広のハンドルバーを採用したところ。スロットルグリップのケーブルの巻取り形状も新設計した。これによりスロットルを開けたときのパワーが穏やかに立ち上がるようになった

■低中速トルクを強化し扱いやすく

過去の名車をモチーフにしたモデルに対する評価には二つの軸があると思う。(1)は機械としての完成度(2)は元ネタとなった名車の再現性・表現力である。(1)はもちろんどのバイクにも適用されるが、(2)はネオクラシックにしかない評価軸といえるだろう。現代のコンポーネントを使った新型車でありながらノスタルジーを感じさせる。それがネオクラシックというカテゴリーの魅力だからである。ただし、ネオクラシックとは単純な復刻ではなく、あくまで「表現」である。元ネタとなった名車のどの部分を抽出し、どう誇張し、どうアレンジするかのセンスが作り手には求められる。

まずは試乗した印象も含め(1)の完成度について解説しよう。新型カタナのエンジンは998cc水冷直列4気筒DOHC4バルブ。もともとこのエンジンは同社のスーパースポーツモデル(注1)、GSX-R1000(05~08年式)に搭載されたものだ。サーキット使用での限界特性が重視されるスーパースポーツ用エンジンとしては低中速域からトルクフルで扱いやすいのが特徴だった。新型カタナに搭載するにあたってはストリートで扱いやすいようさらに低中速トルクを強化するなどの最適化が行われている。

オリジナルと新型で大きく異なるのが短く裁ち落とされたテールまわりの造形

新型カタナは前傾が緩いアップライトな乗車姿勢と相まって、どんなシチュエーションでも扱いやすい。ショートホイールベースの車体からは運動性重視のナーバスなハンドリングをイメージしてしまうが、意外にも尖った部分はなく安定志向だ。これなら長距離のツーリングにも十分対応できるだろう。

また発進時や低回転走行の際に自動的にエンジン回転数を制御する「ローRPMアシスト」機構を採用しているため、発進やUターンも取り扱いやすい。1000ccのスポーツバイクで街中を走るのにはそれなりに緊張感を伴うものだが、新型カタナはもう一つ下のクラスのマシンのようにリラックスして操れる。

(注1) サーキットでのスポーツ走行を主眼に開発された大排気量バイク

MONO TRENDY 新着記事

MONO TRENDY 注目トピックス
日経クロストレンド
大手ジムが「有料オンラインレッスン」に注力する理
日経クロストレンド
吉野家をV字回復させた敏腕マーケター ヒットの法則
日経クロストレンド
ANAも参入 「5G+分身ロボット」でビジネス変革
日経クロストレンド
誠品生活の実力 「世界で最もクールな百貨店」の正体
ALL CHANNEL