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スズキの名車「カタナ」が復活 扱いやすさにびっくり

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2019年5月に国内販売が開始されたスズキの大型二輪車の新型「KATANA(カタナ)」。年間販売予定台数の1000台を早々にクリア、販売店からの受注数が2000台を超えるなど滑り出しは上々だ。近年、二輪の世界では過去の名車をモチーフにした新型車、すなわち「ネオクラシック」と呼ばれるカテゴリーが人気を集めている。カワサキのZ900RSは17年の登場以来、人気になっており大型バイクのベストセラーとなった。

新型カタナの「元ネタ」は1981年登場の「GSX1100S カタナ」。後に750ccや400cc、250ccまでバリエーションを拡大し、2000年まで販売されたスズキを代表する名車だけに、カタナの復活は同社ファンにはまさに待望だったといえる。ベースとなったのはストリートスポーツ「GSX-S1000 /F ABS」。新型カタナはエンジンやフレーム、フロントフォークといった主要パーツをほぼ共有する。

低中速トルクを強化し扱いやすく

過去の名車をモチーフにしたモデルに対する評価には二つの軸があると思う。(1)は機械としての完成度(2)は元ネタとなった名車の再現性・表現力である。(1)はもちろんどのバイクにも適用されるが、(2)はネオクラシックにしかない評価軸といえるだろう。現代のコンポーネントを使った新型車でありながらノスタルジーを感じさせる。それがネオクラシックというカテゴリーの魅力だからである。ただし、ネオクラシックとは単純な復刻ではなく、あくまで「表現」である。元ネタとなった名車のどの部分を抽出し、どう誇張し、どうアレンジするかのセンスが作り手には求められる。

まずは試乗した印象も含め(1)の完成度について解説しよう。新型カタナのエンジンは998cc水冷直列4気筒DOHC4バルブ。もともとこのエンジンは同社のスーパースポーツモデル(注1)、GSX-R1000(05~08年式)に搭載されたものだ。サーキット使用での限界特性が重視されるスーパースポーツ用エンジンとしては低中速域からトルクフルで扱いやすいのが特徴だった。新型カタナに搭載するにあたってはストリートで扱いやすいようさらに低中速トルクを強化するなどの最適化が行われている。

新型カタナは前傾が緩いアップライトな乗車姿勢と相まって、どんなシチュエーションでも扱いやすい。ショートホイールベースの車体からは運動性重視のナーバスなハンドリングをイメージしてしまうが、意外にも尖った部分はなく安定志向だ。これなら長距離のツーリングにも十分対応できるだろう。

また発進時や低回転走行の際に自動的にエンジン回転数を制御する「ローRPMアシスト」機構を採用しているため、発進やUターンも取り扱いやすい。1000ccのスポーツバイクで街中を走るのにはそれなりに緊張感を伴うものだが、新型カタナはもう一つ下のクラスのマシンのようにリラックスして操れる。

(注1) サーキットでのスポーツ走行を主眼に開発された大排気量バイク

もちろん、だからといって羊のようにおとなしいわけではない。スロットルをラフにひねれば野太いエグゾーストノートと共に弾丸のように加速する。一般公道で高回転を維持して走ることは不可能である。フレームやブレーキなど、腕に覚えのある人がサーキットをぶっ飛ばせば色々見えてくる部分もあるのだろうが、私ごときが公道を普通に走っただけでは「とても良くできた現代のスポーツバイク」としか言いようがない。

オリジナルのカタナは高性能だが、大きく重く、癖のある操縦性で乗り手を選ぶマシンとして知られたが、新型カタナは強烈なハイパフォーマンスを絶妙に手なずけた対照的なキャラクターといえる。

次に(2)の名車の再現性・表現力について。新型カタナのスタイリングについて、正直かなり違和感を持った。燃料タンクのシャープなプレスライン、くさび型のフロントカウル、半月型のフロントフェンダー、そして角型のライト……オリジナルのカタナを思わせる分かりやすいディテールは随所にあるものの、全体の印象がオリジナルとはまったく違ったからだ。シートにまたがってもカタナをモチーフにしたバイクに乗っている感じはほとんどない。

これはいまの大型スポーツバイクの成り立ちが当時と大きく変わったことにも由来する。オリジナルのカタナが登場した80年代初頭の大型スポーツバイクは基本的に最高速重視の高速ツアラーだった。

オリジナルのカタナはこの高速ツアラーの上にこれまでにない斬新かつ理想主義的なスタイリングをかぶせて誕生したものだ。きゃしゃな鉄フレームに細いタイヤ、ロングホイールベースの車体とくさび型のスタイリングの組み合わせは確かに日本刀のごとき繊細さを感じさせた。

対して新型カタナのベースとなったのはストリートやワインディングで高い運動性を発揮する近代的なスプリンター。まったく違う土台にそれっぽいスタイリングを与えても雰囲気が異なるのは当たり前だ。前述の通り、ノスタルジーを喚起させることがこの手のネオクラシックの魅力とするなら、個人的にスタリングの評価はどうしても辛くなってしまう。

ただ、実際に町を走ると周囲からの注目度はかなりのものだった。いくら新型車でも道端ちょっと停めただけで通行人に指を差されるなんて経験はそうあるものではない。筆者のような口うるさいライダーの批判的意見など、ものともしない存在感。カタナというブランドの威光をまざまざと見せつけられた。

(ライター 佐藤旅宇)

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