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アップルHomePod 音楽に特化、いい音どこでも

西田宗千佳のデジタル未来図

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NIKKEI STYLE

アップルがスマートスピーカー「HomePod」を、2019年8月23日に日本国内で発売した。米国を中心とした英語圏からは1年半遅れた市場投入になる。

もはや「スマートスピーカー」は珍しくない製品だ。数千円で買えるし、プレゼントなどのキャンペーンも多い。市場はアマゾンの「Alexa」とグーグルの「Googleアシスタント」搭載製品の一騎打ち状態である。日本だけでなく、世界的に見ても同じである。

アップルはそこに割って入る状態にない。だが一方で、他社とは違う価値を提供し、独自の立ち位置を見いだそうとしている。それは「音楽を楽しむことに特化し、iPhoneとApple Musicを組み合わせて使っている人にとって最高に便利になるように工夫したスピーカー」であることだ。

自動チューニングで部屋のどこにおいてもいい音を体感

なにしろHomePodは高い。価格は3万2800円(税別)。価格で比較すれば他のスマートスピーカーとは勝負にならない。

だがHomePodは圧倒的に音質がいい。音を聞けば違いは「一聴瞭然」である。言葉で説明するならば「聴き疲れしないスッキリした音で、特に低音が響く」感じ、といえばいいのだろうか。

1台だけで使う場合は、BGM的に部屋全体に音が広がる。そういう聴き方をするにはとても向いている作りだ。HomePodはスマートスピーカーとしては破格に重い。なんと2.5kgもあるのだが、これは、音質の良いスピーカーを搭載して低音を維持するために必要な重量なのだ。

HomePodが普通のスピーカーと一線を画するのが、部屋のどこに置いても同じように良い音を実現する仕組みを持っていることだ。

スピーカーの音は設置する場所に左右されやすい。例えば壁の近くに置けば、音が壁に反射する。我々の耳にはスピーカーからの音と反射した音が混ざって聞こえるので、どうしても音が濁ってしまう。

HomePodは、スマートスピーカーが持っているマイクを利用することで、その問題を解決している。スピーカーから出した音をHomePod自身が聴き、周囲にどう反射しているかを把握して、音質の調整を自動的に行うのだ。このため、壁際に置いても部屋の中央に置いても、本棚のような場所に置いても、ほとんど音質に偏りが出ない。

この音質調整は完全に自動化されており、短時間で行われるため、ユーザーが意識する必要はない。どんなふうに音が変わるのかを楽しみたい……という気持ちもあるが、シンプルに使えることを狙った製品なので、調整していることすら隠蔽されているのだ。

HomePodは2台あるとステレオスピーカーとして働くのだが、この際の調整もほぼ自動だ。ステレオの場合、音の定位の問題があるので、最高の音質で聴くためにはどうしても方向と範囲の制約が生じるが、音場の調整も、複雑なことを考える必要はない。左右のスピーカーとして置けばいいだけだ。

iPhoneと連動する「とにかくシンプル」な設定

とにかく自動で、シンプルに。

これは、HomePod全体に貫かれているポリシーだ。音質チューニングの自動化はその典型例だが、使っていて最もわかりやすいのは初期設定である。

通常スマートスピーカーを使い始める際、スマホにアプリを用意してその中でアカウントを入力し、それをスマートスピーカーへと転送する……などという手順が必要になる。

だがHomePodでは、そうした手間がない。iPhoneをWi-Fiに接続し、HomePodの電源をコンセントにつなぐと、iPhoneに勝手に設定メニューが現れる。

後はメッセージに従ってタップしていくだけ。文字の入力は一切ない。Wi-Fiの設定やアカウントの情報、ホームネットワークの設定などは、すべてiPhoneに設定済みのものがそのまま転送される仕組みだ。実際にはiPod TouchでもiPadでもiOS搭載機器であればいいのだが、電話機能の連携もできるので、iPhoneから設定するのが便利だろう。

こうした仕組みであるので、HomePodはあらゆるスマートスピーカーの中で最も設定が簡単だ。照明や家電との連携も、アップルの「HomeKit」という規格に対応していて、iPhoneなどから使えるようになっていれば、特別な設定はいらない。

HomePodの音声アシスタントはiPhoneでおなじみのSiri。他の音声アシスタントに比べ機能面で劣る部分もあるが、日常使うには十分な認識精度を持っている。楽曲の呼び出しや天気・予定の確認に加え、ホームネットワーク機器の制御など、思いつくことはほぼ、問題なく使える。

「アップルのシナリオ」から外れると不便に

一方で、こうした「シンプルさ」には、アップルが想定するシナリオの中で、という条件がつく。

HomePodの設定にはiPhoneあるいはiPad、iPod Touchが必須だ。Androidやパソコンからは設定そのものができない。アップル製品であっても、Macからは設定できない。

HomePodにSiriで命令して音楽を流すには、HomePod自身が直接音楽サービスにアクセスする必要がある。このとき、HomePodはアップルの定額制ストリーミング・ミュージックサービスである「Apple Music」だけに対応している。他のスマートスピーカーは複数のサービスが使えるが、HomePodはアップルの製品なのでApple Musicしか使えない。Apple Musicに加入していない場合、セットアップ時にも「Apple Musicとセットで使おう」というプロモーションが表示される。

アップルのシナリオの中で使えば便利だが、そうでないと使い道が限られていくのが、HomePodの最大の欠点である。他のメーカーの機器を中心に使っている人には魅力が薄い。もちろんアップルとしては、「HomePodといういい製品があるからアップル製品に乗り換えを」といいたいのだろうが、そこまで圧倒的な魅力があるか、というと難しい。「高音質なスピーカー」は世の中に色々あり、HomePodが唯一の選択肢ではないからだ。

スマートスピーカーはすでに、音楽だけで選ぶ時代でもなくなっている。他社はディスプレー付きの製品を主軸に据えており、ショッピングや動画視聴などの方向性も打ち出している。HomePodが目指す「音楽中心」というあり方は普遍的だが、正直2年前の戦略、という印象もある。

あなたがアップルファンで、iPhone+Apple Musicを便利に使っているなら、迷う必要はない。HomePodはベストな存在だ。高くて大きいが、その分音質はいい。小さくて安いスマートスピーカーがいい人、多数の機器での汎用性を重視する人には、他の選択肢をお薦めする。

西田宗千佳
 フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。

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