日常の建物に宿る洗練の美 幾何学デザイン普遍の魅力

日経ナショナル ジオグラフィック社

ナショナルジオグラフィック日本版

東京:カラフルな照明が暗い窓と対照をなす、東京湾岸エリアにあるマンション(PHOTOGRAPH BY MASSIMO RUMI, NATIONAL GEOGRAPHIC YOUR SHOT)

今回は、世界各地で撮影された魅力的な建築物の写真をご覧いただこう。集合住宅から遠い昔の傑作までバラエティに富むが、どのデザインもどの土地の過去の物語や地元の人びとの生活が垣間見えることを感じてほしい。

マンハッタンの超高層ビルや、ガウディがバルセロナに残した芸術的な建築物にはもちろんインパクトがある。だが、本当の日常生活を教えてくれるのは、往々にしてもっと小さな、普通の建物ではないだろうか。

インド、ジャイプール:不思議な形の階段井戸に、女性の服の鮮やかなブルーが映える。16世紀に造られた複雑に組み合わされた階段は、地域社会の集いの場でもあった(PHOTOGRAPH BY NISHU BAROLIA, NATIONAL GEOGRAPHIC YOUR SHOT)

注意して見れば、シンメトリーに並ぶデパートの窓が、モザイクで彩られたモスクの天井に負けないほど輝いて見えるかもしれない。どちらにも語るべきストーリーがある。その場所に対する特別な思いをかき立ててくれるかも重要なのだ。

旅をするなら、ぜひ訪れた場所で立ち止まり、周りにある建物に目を向けてみよう。その土地の美意識や文化についてまったく新しい視点を得ることができる。タイミングによって見えるものが異なることもあるだろう。思いがけない模様、影、色などによって、飾り気のない建物が芸術作品に変わることもある。

スペイン、セビリア:「メトロポール・パラソル」の現代的な曲線が、周囲の歴史ある建物との対比を際立たせる。「キノコ」の愛称をもつこのパラソルはドイツの建築家ユルゲン・マイヤーが設計、世界最大の木造建築物とされる(PHOTOGRAPH BY SAURAV PASWAN, NATIONAL GEOGRAPHIC YOUR SHOT)

次ページでも、幾何学的デザインを持つ魅力的な17の建築物を紹介しよう。