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キャリアの原点

がん患者の家「マギーズ東京」 つぶやき続け得た同志 マギーズ東京 共同代表理事 秋山正子さん(下)

2019/9/10

「雑誌の連載でスコットランドのマギーズのことを紹介したり、シンポジウムや講演会などで発言の機会があればマギーズの良さを話し続けたりしました。現地に視察に行った時には、他の看護師を連れていったほか、建築家も連れて行きました。というのも、マギーズは建物の温かみも非常に大切にしているので、どんな建物が造れるかという視点も必要なのです」

「つぶやき続けていたら、『空いてる部屋を秋山さんみたいな活動をしてる人に貸したい』って言ってくださる方が現れましてね。2011年、東京・新宿の都営アパートの一室に『暮らしの保健室』を開設することになりました。マギーズは英国のマギーズセンターによる認定の基準を満たさないとマギーズと名乗れません。『暮らしの保健室』は建物などが基準を満たしていないのですが、理念はマギーズと同じです」

■つぶやき、活動を続けて同志と出会う

「こうして、つぶやいて活動を続けていて、同じく共同代表理事をしている鈴木美穂さんに出会いました。元民放記者で乳がん経験者。ぜひ一緒にマギーズを作りたいと会いに来てくれました。まだ20歳代の若さで私と違うアイデアも次々出してくれて、クラウドファンディングで設立資金を集めるなどして、一気に実現に向けて走り出しました」

――マギーズ開設を実現して、学んだことは何ですか。

「人は、それまでに見たこともないことを提案されても、すぐには信じてくれません。だから、ひたすらアイデアと自分の志を伝え続けることと、できれば視察のような形で見せて納得してもらうのが、実現のカギなのだと知りました」

現在の土地は2020年までの期限つき賃貸。そのあとはまだ決まっていない

「マギーズを日本に作りたいという思いをひたすらつぶやき続けたから、『暮らしの保健室』ができ、鈴木さんに出会えた。マギーズは認定の基準が厳しいのでまだ日本では東京だけですが、理念を共有する『暮らしの保健室』はすでに全国に50カ所近くまで拡大しています」

「実は豊洲の土地は2020年までの期限つき賃貸なのです。そのあとはまだ決まっていません。でも、活動はぜひ続けたい。ですから、私はいまも、行政や医療関係者の見学も積極的に受けて、マギーズを見て知ってもらおうと奮闘しています。ここにきて、温かい雰囲気を知り、患者さんたちのニーズの大きさを肌で感じてもらえればと思っています」

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(藤原仁美)

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