がん患者の家「マギーズ東京」 つぶやき続け得た同志マギーズ東京 共同代表理事 秋山正子さん(下)

マギーズ東京 共同代表理事 秋山正子さん
マギーズ東京 共同代表理事 秋山正子さん

NPO法人マギーズ東京(東京・江東)は「がん患者とその家族のための第二の家」である。思い立ったらいつでも立ち寄れるよう、年中無休で予約もいらない。自然光が柔らかく差し込む室内では、利用者が専門家に相談できるほか、お茶を飲んでおしゃべりしたり、リラクゼーションの講座に参加したりと思い思いに過ごす。マギーズを日本で実現させた共同代表理事の秋山正子さんがひたすら続けたのは「つぶやくこと」だったという。

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――自らを「多くを語らないリーダー」と表現されます。どうしてですか。

「若い後進を育てることが増えてきた私が意識していることは、多くを語らないことです。一人一人が自分の考えをきちんと表明できるようになるまで待ちます。というのも、訪問看護は自分で考え自分の意見を述べられるということがとても大事な仕事だからなのです」

「マギーズのお話をするのが一番おわかりいただきやすいでしょうね。マギーズはがん患者とその家族の方たちが、いつでもふらっと立ち寄って、専門家に相談したり仲間と話したりできる場所です。一人で落ち着くまでお茶を飲むだけでも構いません。利用の仕方はそれぞれです。もちろん相談は無料。運営費用は百パーセント寄付に頼っています」

「指示待ち」はいらない

「マギーズには専門知識のあるスタッフが必ず常駐します。看護師、臨床心理士、管理栄養士が常勤非常勤合わせて10人。専門職のボランティアは20人。このほかに、資格はないけれど研修を受けて、来場者の対応やお話の相手もするミートアンドグリートという立場のボランティアが10人います」

「予約不要なので、その日どんな方が相談にいらっしゃるかわかりません。まさに臨機応変に、必要な情報を提供する力が必要です。それと同時に、相手の方の心に寄り添い、同じ目線で耳を傾けることも求められます。ここに来るのは、がんを宣告され途方に暮れている方とか、そのご家族たちばかりです。まさに、一期一会、自分の頭で考えて行動できる人でないと、ここのスタッフの仕事は務まりません。実際、『誰も仕事を指示してくれないんですね』といって短期間で辞めてしまった人がいましたが、指示待ちではここでは働けません」

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