一流店が特別に構える個人接客スペースはブランドの哲学が凝縮された空間だ。そんな場所で体験するオーダーは、今まで見えてこなかった新しい発見をもたらしてくれる。
■ batak
通うほど紳士になれる場所「中寺創作室」
一流テーラーは皆、高い美意識と魅力的な人柄を必ず備えているものだ。その世界観に惚れ込み、暮らし方全般に刺激を受けて自分を成長させていく。これがテーラーに通う真の醍醐味である。
その意味で、バタクのビスポークサロン、中寺創作室は最高の場所だ。広々としたサロンにはミッドセンチュリーの家具が揃えられ、壁には様々なアートワークが。そしてテーブルには一輪の花。これぞ紳士の空間だ。
「服はあくまでライフスタイルの一部。私も写真や絵画、インテリアなどが大好きですし、お客様もそういった方が多いですね。当店のお客様は皆、年齢を重ねるほど魅力的になられます。私も日々感性を磨き、皆様に必要とされるよう努めています」と代表・中寺氏。聞けば今年納品のビスポークはすでに受付終了だという。サロンで氏と会いその美意識に触れれば、人気の理由はすぐにわかるはずだ。
新宿御苑の緑が広がる開放的な空間に合わせて重厚すぎない北欧の家具を中心に選んだという。椅子は1930年代に発表されたアイリーン・グレイの作。テーブルに置かれたランプはセドリック ハルトマンだ。壁には、ル・コルビュジエや篠田桃紅などの作品が飾られている。オーディオはアキュフェーズのアンプにB&Wのスピーカーというセット。隅々まで中寺氏の美意識が行き渡った空間だ。
[ オーダーしたい逸品 ]
英国の古き良きソフトテーラリングから影響を受けたというバタクのスーツは、胸回りや袖に程よいゆとりをもたせた、優雅かつ端正な仕立てが魅力。ただし、仕立ては非常に柔らかで、一般的なサヴィル・ロウのスーツとは一線を画した着心地。 ビスポークスーツで価格は35万円~(バタク 中寺創作室)
バタク 中寺創作室
(住)東京都新宿区新宿1-3-4 Gyoen R 6F TEL:03-5919-6682
(営)11時~20時 ※完全予約制 (休)水曜、日曜