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ステーキを焼き比べ  台所番長が推すフライパン3選 合羽橋の台所番長が斬る! いまどきの料理道具を徹底比較

2019/9/3

話題のフライパン3種でステーキを焼き比べ。台所番長こと、合羽橋の老舗料理道具店、飯田屋の6代目、飯田結太流のおいしく仕上がる焼き方を紹介(写真:菊池くらげ、以下同)

合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。今回は、素材、厚みの違うフライパンでステーキを焼き、おいしく焼けるコツも披露する。

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こんにちは、飯田結太です。今回は、3種類のフライパンでステーキを焼くとどう違うのかを検証します。

フライパンといえば、焼くことをメインに考えられた調理道具ですが、鉄製やフッ素樹脂加工などいろいろな種類の素材が使われています。ということは、同じフライパンといえども、素材によって焼き方や使い方が異なるということ。フライパンを極めるなら、素材を知ることが大切です。

左から時計回りに、鉄製「TURK クラシックフライパン」(ターク、2万3000円)、フッ素樹脂加工アルミニウムフライパン「ベルフィーナライトプレミアム」(アーネスト、2800円)、鉄製「HANAKO」(山田工業所、1万1000円)いずれも価格は税別

■今知っておくべきフライパン3種は

ここ数年人気が高まっているフライパンは、「軽量」なもの。軽量素材のなかで有名なのはフッ素樹脂加工されたアルミニウムです。フッ素樹脂加工のフライパンの特徴は、食材がこびりつきにくいこと。しかし、アルミニウムなどの上にフッ素樹脂をふきつけたり、塗布したりしているので、使っているうちに加工がはがれてくるのが弱点。使いやすくて手入れも簡単ですが、寿命は他のフライパンに比べると短いのです。

そんななか、面白いフライパンが登場しました。それは、鍋の表面に花模様のエンボスが施されているフッ素樹脂加工フライパン「ベルフィーナライトプレミアム」(以下、ベルフィーナ)です。

一般的なフッ素樹脂加工のフライパンは、フッ素樹脂を吹き付けやすくするために、表面はフラットでつるつるしているものが多いのですが、ベルフィーナは表面が凸凹のエンボス加工。しかも花模様のデザインが施されています。これは大変珍しいと思います。

エンボス加工がされていることで、食材と鍋底との接地面が少なくなり、さらにこびりつきにくくなります。もし、フッ素樹脂加工がはがれてきたとしても、食材のこびりつきは通常のフライパンよりも少ないまま、使い続けることができます。ここがとても好感が持てます。またアルミニウム製なので、熱伝導率が高いことも大きな特徴ですね。

アーネスト「ベルフィーナライトプレミアム」(韓国製、アルミニウム、フッ素樹脂加工、重量約670g、直径28cm)。アルミニウム合金の上に4層のコーティングがされている

次に注目しているのが、日本を代表するフライパンメーカーのひとつ、山田工業所の製品。山田工業所が最も得意とするのが鉄製の打ち出しのフライパンです。ひとつのフライパンに対して数千回もたたいて強度を高めているので耐久性は抜群、さらに耐久性を高めるためにハンドルと鍋部分が一体成型というのが大きな特徴だったのですが、ハンドルが鉄製のため、調理中に高温になり、カバーやタオルなどを巻いて使わないと、とても持っていられないのが弱点でした。

その後、ハンドルは木製やステンレスに変わるなど進化してきました。そして、今まで調理道具には使われることがほとんどなかったチタン製のハンドルが登場したのです。

チタンは軽いうえに耐食性にもすぐれ、金属の中でも熱伝導率が低い素材。したがって、ハンドル部分に使うことで熱が伝わりにくくなり、1回の調理なら、素手で持つことも可能になりました。

山田工業所「HANAKO」(鉄製、ハンドル部分はチタン製、重量約1183g、直径26cm、板厚2.3mm)。板厚2.3mmは、業務用フライパンの中でも厚みがあるほうだ

3番目のフライパンは鉄フライパンの象徴的存在、ドイツ製のターク。焼く調理に特化したもので、通常のフライパンよりも浅く作られているのが特徴です。たぶん、料理好きな男性ならまずタークを手に取るのではないでしょうか。

タークはすべてが手作りなので、サイズや板厚が少しずつ異なります。ですから、私は「店にあるタークをすべて手にとって見てください」と伝えます。ハンドルの太さや立ち上がり方の角度が微妙に違うので、持ってみないと分からないのです。背が高い人ならハンドルの角度があるほうが使いやすいし、手が小さい人ならハンドルはあまり太すぎないほうが良いでしょう。タークは、規格品というよりも工芸品ですね。タークが好きな人はその点を心得ていて、あえて鍋底がうねっているものを選ぶ人もいるくらいですから。

「TURK クラシックフライパン」(鉄製、重量約1700g、直径26cm、板厚2.5mm)個体差があるので店で選ぶときは注意が必要

次のページでは、この3種類のフライパンでステーキを焼き比べします。

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