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時間限定・機械化… 体力勝負の男性職場で女性活躍

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NIKKEI STYLE

男性が中心だったサービス業の現場職として働く女性が増えてきた。企業は時間帯を限定した働き方や調理作業の自動化を取り入れるなど、長時間労働や体力勝負が前提となっていた職場の改革を急いでいる。女性が活躍しやすい労働環境が整うことで、男性も働きやすくなるという好循環につながっている。

◇   ◇   ◇

8月上旬の東京都江東区。日が傾き始めた午後6時ごろ、住宅街の路上を今井恭子さん(39)がヤマト運輸の配送カートを押しながら小走りで駆けていた。在宅率が高まる夕方以降は宅配便業者にとってかき入れ時。時折雑談を交えつつルートを回る。日が暮れるころに80個の荷物を配り終えた。

今井さんはヤマト運輸が推進する午後限定の勤務形態「アンカーキャスト」として18年6月から働く。契約社員で、モデルケースでは350万円弱の年収が見込める。勤務時間は午後1時から9時。中学1年生から高校1年生まで食べ盛りの息子3人を育てる今井さんにとって、「午前中に余裕を持って家事を終えられる」メリットがある。

ヤマト運輸は長時間労働を前提とした男性的な働き方で業績を拡大してきた。ただ、残業代の未払い問題など現場からの悲鳴が表面化したことで抜本的な対策を求められることに。アンカーキャストの導入を柱に、労務管理や拠点改修など働き方改革を進めてきた。

現在約6000人のアンカーキャストのうち3割以上は女性だ。今井さんのような働くママから、プロのサッカー選手との二足のわらじを履く人まで幅広い。利用者の防犯意識の高まりなどもあり、女性ドライバーのほうが荷物を受けてもらいやすいといった宅配ならではの利点もある。

同社の宅配便数の大半は法人荷主で、営業先は100万社に及ぶ。女性ドライバーによる安心感などで不在配達が減り、「浮いた時間を営業に回せるようになった」(浅草支店の長谷川純支店長)と相乗効果も高まっている。

東京都大田区。リンガーハット イトーヨーカドー大森店の厨房に立つ店長の林佳奈さん(26)は、注文の入った「長崎ちゃんぽん」や「長崎皿うどん」を慣れた手つきで次々と調理していた。

リンガーハットの厨房では、鍋を振るという作業がなくなりつつある。キャベツやタマネギ、もやしなどの野菜を混ぜていためる作業は自動で回転する鍋が担う。林さんは鍋の具材を時折混ぜる程度。鍋を持ち上げたり、振ったりする作業はない。「調理をしながら体に負担はあまり感じない」(林さん)

10年以上前は厨房に立つのは男性が多かった。当時は片手で鍋を持ち、野菜などの具材を人の手でいためていた。約8人前を一気に調理することもあり、鍋と具材を合わせた重さは約5~6キログラムにもおよんだという。

だが、こうした重労働ともいえる作業は男性でも手首や腰を痛める原因になり「体がきつくて辞める人もいた」(平野晶也・リンガーハットジャパン東日本第4営業部部長)。「誰が作っても均一で、おいしい商品が出せるように追求した」結果が調理作業の自動化につながった。

リンガーハットの店舗で働く女性の数は増えている。約10年前は全体の6割が女性だったが、現在は7割に増えた。林さんはリンガーハットジャパンの社員になって4年目。入社するまで飲食業の経験はなかった。環境整備もあって短いトレーニング期間で調理の技術が身につくため、男性にとっても働きやすくなっているようだ。

「男社会」のイメージが強い警備会社でも、女性社員の存在感が高まりつつある。セコムでは、男性社員が大半を占めていたコントロールセンターで働く「管制」という職種で女性社員が奮闘中だ。

入社2年目の福島史織さん(27)は、神奈川本部のコントロールセンターで管制として働いている。管制とはセコムのセンサーを導入している住居や企業内で異常を検知した場合に「緊急対処員」と呼ばれる人員を配置する業務だ。警察や消防に通報する役割も担う。

福島さんは「現場での経験がない分、異常があった住居の顧客との通話から状況を想像する力が求められる」と話す。顧客との通話では高齢者や子供が相手の場合もある。松山徹センター長は「相づちや丁寧な印象を持つクッション言葉を活用した柔らかい口調で顧客を安心させている」と福島さんを評価する。

現場の経験が前提になっていた指導の仕方も見直している。松山さんは男性の管制に「『自分』を基準とした指導はしないで」と訴えている。現場経験を持つ男性の管制は、自分の知識をもとに指導をしてしまいがちだ。専門用語をなるべく使わないようにするなど、管制としての経験が浅い若手男性ともスムーズに情報伝達し、連帯感を高めるなどの効果があるようだ。

固定観念を疑って ~取材を終えて~

取材を通して「男性職場」といわれる業界でも女性活躍が浸透しつつあるとの印象を受けた。女性の働く場が広がることで、これまで男性が多かった職場では見えなかった課題が浮かび上がってきた。

例えば、こまめな掃除や整理整頓などを女性の善意に依存しているケースがいまだに多いと耳にした。「女性はこういう作業が得意」など、悪意のない半強制は危険だ。「女性の活躍」は女性労働者数の増加とイコールではないということを改めて考えさせられた。

ヤマト運輸の現場では「ドライバーは女性にはできないと思っていた」と話す男性ドライバーの声を多く聞いた。男性と女性がのびのびと働けるようにするには、企業や職場で凝り固まった固定観念を疑うのが第一歩かもしれない。

(松川文平、田辺静)

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