学生時代に志した道へ 40代後半でキャリアチェンジ

サービス企業で営業マネジャーを務めていたAさん(40代後半)。一定レベルの業績をあげ、評価を得ていたものの、上司との折り合いがよくなかったためか、早期退職の勧めを受けてしまいました。

納得はいかないながらも、これを機に初めて「転職」という選択肢を考えたAさんは、やがて「それもありだ」という意識に変わっていきました。「考えてみると、今いる業界は今後大きな成長は見込めないだろう。最後の一花を咲かせるなら、この会社である必要はない」と考えを変えました。

そして早期退職制度への応募を決意。次のキャリアを探るため、これまでの経験を棚卸しし、自分の強み、志向を整理してみました。Aさんの強みとして浮かび上がったのは、「折衝力」「形がないものの価値を相手に伝える力」「リレーション構築力」などです。

さらに、「やりたいこと」を明確にするため、過去の経験までさかのぼってみました。すると、学生時代は教員免許を取得し、教職を目指した時期もあったとのこと。子供たちに教えることにやりがいを感じ、地域の子供向けスポーツ教室でコーチも務めていたそうです。

この「強み」と「志向」を踏まえ、私から紹介した求人は、「学校法人の広報担当」というポジションでした。少子化が進む中、大学や専門学校などでは、学生獲得を目指し、さまざまな施策に取り組んでいます。広報担当は、高校生たちが「将来なりたい自分像」を実現する手段として、自校のカリキュラムや校風などのプレゼンテーションを行っていく役割を担います。

Aさんは、無形サービスを商材とするソリューション営業の経験者。マネジャーとして、若手とコミュニケーションをとり、育成も手がけてきました。それらの経験が、このポジションで生かせると判断したのです。

Aさんは「こんな仕事があるとは」「もともと目標としていた『教育』に携われる」と興味を持ち、応募。面接を受ける中で、自分のスキルが生かせること、自分の志向にマッチしていることを確信し、転職に至りました。

「会社への貢献」を実感できるポジションへ 中小企業という選択肢

もう一人は、大手メーカーで生産部門長を務めていたBさん(50代)。国内工場の閉鎖に伴い、やむを得ず早期退職しました。

Bさんが新たなステージとして選んだのは、中小のメーカーです。そのメーカーはちょうど世代交代を迎え、30代の2代目社長が父から経営を引き継いだタイミングでした。

新社長は他社で営業職としての経験を積んでいましたが、技術開発や生産現場の経験はありません。そして、父の代を支えた技術者も高齢により退職が迫っていました。そこで、Bさんが生産部門を担う後継者として、また、新社長のパートナーとして採用したのです。

Bさんは、若くて熱意がある新社長を支え、次世代の人材育成に携わることにやりがいを感じ、オファーを承諾しました。また、前職の大手企業では一部門の運営を担う立場でしたが、中小企業では自分の働きが会社の成長にダイレクトに貢献できるという点にも、魅力を感じたようです。

そして、この転職に伴い、首都圏から地方都市へ移住。アウトドアレジャーで自然との触れ合いも楽しんでいるとのことでした。

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