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かんぽ不正、私の保険は大丈夫? 調査対象3000万件

2019/8/24

かんぽ生命保険の保険には国内の約5人に1人が加入しています。郵便局の不適切販売問題を見て、自分の保険に問題がないか心配している人もいるでしょう。かんぽ生命は顧客の契約内容をどのように確認するのか、契約者はどのような点に注意すればいいのかをずばり答えます。

日本郵政グループのかんぽ生命は、養老保険と終身保険が主力商品で、学資や医療保険特約なども手掛けています。全国に2万超ある郵便局が個人向けの販売窓口です。契約者と被保険者の人数は2648万人。国内で約5人に1人が加入している計算です。

6月に過去の契約を新しい契約に変更する「乗り換え」で、契約者の不利益となった疑いのある事例が判明しました。過去5年間で18万3千件にのぼります。郵便局での厳しい契約のノルマが背景にあるとみられています。

かんぽ生命では事例を大きく5つに分類しています。(1)解約後、新契約ができず無保険となる(1万9千件)(2)乗り換えた新契約で保険金の支払いが拒否される(3千件)(3)より合理的な提案が可能だった(2万5千件)(4)同種の保険への乗り換えで予定利率が低下(2万件)(5)保障が重複し、保険料が二重徴収された(7万件)――です。

さらに解約から新保険に入るまでの無保険期間が4~6カ月のケース(4万6千件)を加え、「特定事案」として個別調査を始めました。

まず事案に該当する契約者には8月末までに契約内容などを記載した「案内状」が届きます。これは問題があるから送るのではなく、問題の有無を確認するためのものです。到着後に順次、かんぽ生命のコールセンターから電話で問い合わせがあります。

問題点がある場合、かんぽ生命の社員が個別に電話や訪問調査に出向きます。「保険を乗り換えると不利益がある」といった説明が適切にされたかどうか契約時の状況を確認します。問題があれば、事例に応じて過去の契約の復元や保険金の支払いなどの手続きに入ります。これには数カ月かかるとみられます。

18万件すべてに問題があるわけではないことに注意してください。仮に乗り換えた新契約が不利な内容であっても、「解約払戻金が必要だった」など契約者側の事情があったようなケースは復元の対象にはなりません。

かんぽ生命は18万件とは別に過去5年の全契約3千万件についても調査します。5年内に契約し、その後解約したものも対象です。9月中に「案内状」が送られ、疑問があれば同封のはがきで返信する手順です。問い合わせがあれば、かんぽ生命の専用コールセンターや郵便局のほか、外部機関として生命保険協会の「生命保険相談所」でも相談に応じます。

関係者を装った詐欺行為には注意が必要です。訪問調査では必ず身分証を確認しましょう。電話や訪問時に銀行口座などの暗証番号を聞かれることはありません。

[日本経済新聞朝刊2019年8月17日付]

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