フリーランスになりたい妻 夫を納得させた支出削減策家計再生コンサルタント 横山光昭

転職を繰り返し、退職金を期待できない夫との老後の生活のことを考えると、40歳を過ぎた今、減っていく貯蓄を挽回できる見込みが大きくない状況に置かれてしまうのは不安です。しかも、双子の子どもたちが大学進学時期になると、教育費は普通の家庭の倍額が一度に必要になります。それに耐えられるかも不安です。

■すぐに行動に移して食費や光熱費など削減

少しでもBさんの希望にかなう状況に近づけていくのなら、まずは支出状況を改善することが先決です。ボーナスがない分、毎月の収入は多めなので、預貯金に回しながら特別支出に備える予算を作っておくことが必要です。Bさんは家計簿はアプリでつけ、なんとなく把握している程度ということなので、まずは大ざっぱに支出を記録し、毎月の支出の仕方を把握してもらうようにしました。それから削減できそうな支出を見つけていきます。

Bさんのフリーランスで働きたい希望は強く、「もしフリーランスになったら、家にいることが多くなるから」と、食事・食材の管理をしっかりとし始めました。水道光熱費は無駄がないように意識して行動しました。自分はスマートフォンにこだわりがないし、電話も多くないということで、自分の分だけを格安スマホに替えました。洋服代は預貯金の中から年間15万円で家族みんなに不足している分を購入すると予算を決め、毎月の被服費はクリーニング代のみに抑えました。交際費は必要な部分もあるということですが、休日にするママ友とのランチなどを控え、このほか、有料テレビの契約やネットで借りるレンタルビデオをやめました。

生命保険も見直す価値はあるかと思えましたが、ご主人の既往歴から見ると、新しい保険に入ることが難しそうな印象があったことや、少し前の良い貯蓄型の保険に加入していることもあり、今回は積極的には見直しませんでした。また、フリーランスになった後のBさんの収入のめどが立ちませんので、しばらくは夫の扶養の範囲でやれるだろうと見通し、Bさんの社会保険料は考えませんでした。

こうして毎月の支出が6万4000円ほど減ると、毎月の余剰金は25万円ほどに。約21万円のBさんの収入がなくなっても、毎月4万円ほどを貯蓄にすることが可能になります。それでも、帰省費用や洋服代の予算を捻出すると使い切ってしまうことが予想されますので、まずは今できそうな支出の削減を行ってから、さらに減らせそうな部分に取り組むべきでしょう。

預貯金から積み立て投資に移行、着実な資産形成目指す

また、気になるのはBさん夫婦の預貯金1500万円です。このまま1つの銀行に置いておくと、万が一の時のペイオフが気になりますし、何より今は国がインフレを目指している状況ですから、お金の価値が下がっていくことが気になります。将来に向けてのお金を増やす意味でも、積み立てでの運用を始めたほうがよいと思います。

Bさん夫婦が持っておくべき預貯金は、家計改善後の1カ月の支出が45万円ほどですから、その1.5カ月分(67.5万円)をイレギュラーな支出があった場合の生活費として取っておき、さらに生活防衛資金として6カ月分(270万円)を残しておけば、最低限必要な現金は手元にある状態と言えます。つまり、合計7.5か月分、337.5万円の預貯金があれば、残りは運用に回してもよいということです。もし、教育費やその他お金が必要となることがあれば、その分も預貯金として残しておいてもよいでしょう。

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