ドラマ『あなたの番です』 2章もラストの引きで魅了
4月から2クールで始まり、6月16日に第1章の最終回を迎えた秋元康企画・原案のミステリードラマ『あなたの番です』(日曜22時30分/日本テレビ系)。6月30日からはタイトルを「反撃編」と改めた第2章が放送され、犯人は誰かをめぐるSNSでの話題も盛り上がりをみせている。
主人公の菜奈(原田知世)と翔太(田中圭)夫婦が新居として購入したマンションが舞台。殺したい人の名前を紙に書いてランダムに引いていく、住民会での「交換殺人ゲーム」をきっかけに周囲で次々と人が死ぬようになる。第1章では、キャッチコピーで「毎週、死にます。」と打ち出しており、放送ごとにショッキングな展開を見せた。
第2章は「これまでの伏線を全部回収していくような内容になります」と鈴間広枝プロデューサーは明かす。「謎解きが中心ではありますが、中毒性のある"ラストの引き"は変わらず狙っていきたい。海外ドラマのように、最後で『絶対に次も見たい』となるところを目指しています」
鈴間氏と秋元は『愛してたって、秘密はある。』(2017年)に続き、2度目のタッグとなった。「今回、ゲームで13人が紙を交換するところから始まっていますが、ものすごい数の組み合わせになるんです。そうすると1クールではとても収まり切らないので、2クールでやろうとなりました」
脚本には、劇団の主宰を務め、舞台を中心に高く評価されてきた福原充則を起用。「福原さんの脚本はとにかくセリフが面白い。主演のお2人をはじめ、木村多江さんや生瀬勝久さんほか、演技が達者な方がそろっているので、小ネタで笑えるところが大事だったりします」
SNSをざわつかせるようなシーンが多いのも特徴。これは福原氏ならではのキャストとの向き合い方なのだという。「最初はとっぴなセリフやシチュエーションに『こんなことをやってもらって大丈夫かな?』と思うこともありました。福原さんは、役者さんに及第点でできそうなことを書くのは失礼だと思っていらっしゃって、少しチャレンジングなことを入れるのだそうです」
演出は『悪夢ちゃん』(12年)や『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(18年)など、あくの強いキャラクターが登場する作品に数多く携わっている佐久間紀佳氏。このドラマの象徴的な住民会のシーンでは、佐久間氏にかなり助けられているそうだ。
反撃編は、犯人を憎む翔太が謎を解いていく内容になる。新たなキャストも登場。翔太の相棒となる、AI(人工知能)の勉強をしている大学院生・二階堂役を横浜流星、家賃が安いという理由だけで、凄惨な事件の現場となった502号室に引っ越してくる謎の人物を田中哲司が演じる。
「第1章を見ていなかった方でも楽しんでいただける内容になっています。いつも視聴者の方がストーリーを深読みしてくれるのをありがたく思っていましたが、最後まで推理しながら見ていただきたいです」
(日経エンタテインメント!8月号の記事を再構成 文/松下光恵)
[日経MJ2019年8月16日付]
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