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老後資金の不安解消は家計の現状把握から。画像はイメージ=PIXTA

老後資金の不安解消は家計の現状把握から。画像はイメージ=PIXTA

老後のためには約2000万円の蓄えが必要――。金融庁の審議会報告書が試算した数字をきっかけに、リタイア後の生活に不安感が広がっている。会社員が自助努力で老後資金を準備するには、どのようにマネープランを立てればよいのか。『トップ1%の人だけが知っている「最高のマネープラン」』著者、俣野成敏氏に聞いた。

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俣野成敏氏

俣野成敏氏

大学卒業後に大手精密機器メーカーに就職した俣野氏は30歳の時に社内ベンチャー制度に応募。年商14億円の小売りビジネスを育て上げた。2012年に独立してからは投資活動やビジネスオーナー業にいそしむ傍ら、マネープランの作成と実行方法を助言するマネースクールの運営にも携わっている。

「2000万円問題」について俣野氏は「過剰反応をしないように気をつけてほしい。冷静に受け止めるべきだ」と助言する。預貯金や金融商品など資産が少ない人ほど焦ってしまう傾向がある。「チャンスがあれば一気に手持ちのお金を増やしたい」とリスクの高い運用に走りかねない。「投資に慣れていない人が急にリスクのある運用を始めたら失敗する確率が高い」と警告する。

【第1ステップ】現状把握

老後のためにマネープランを立てて、それを実行するためには3つのステップを踏む必要がある。

まず理解しておきたいのは、2000万円があくまで平均の数字ということだ。とりあえず、自分の足元を見つめ直そう。自身の家計を再点検して、人生のマネープランを作成することから始めることが基本。現状把握で重要なのは、どのような前提で将来のお金の動きをシミュレーションするか、である。

金融庁の報告書が指摘した「老後資金2000万円」では、次の3点が前提となっている。(1)公的年金が今と同じ基準で支給される(2)平均値を元に算出している(3)老後は資金を「取り崩し」する

一方で、俣野氏の前提は異なっている。「今の状況が続くと、20年後には"85歳年金受給開始"になる可能性もある」と見るからだ。さらに「健康寿命」に個人差があることを踏まえると、「いつリタイアするかを自分で決める時代が到来する」と予測する。こうしたことを考慮して、俣野氏は下記の3点を前提に置く。

・第1の前提 「支給時期が明確でない公的年金は計算に入れない」 → 公的年金による収入はあくまでプラスアルファと考え、それを当てにしないで目標に到達できるプランをつくる。
・第2の前提 「老後の目標設定は自分の意志で決める」 → 「働ける」あるいは「働きたい」なら現役の期間を長く設定する。定年も年金支給開始に合わせて後ろ倒しになる可能性がある。
・第3の前提 「老後も安定運用を続ける」 → 日本国内では低金利だが、新興国を含めた世界基準で見て元本割れリスクを避けながら年率4%運用を目指す。

前提が定まったら資金づくりの目標を設定する。その際には数字を積み上げて考えることが重要だ。

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