定年後は要注意 嫌われる「マウンティングシニア」経済コラムニスト 大江英樹

写真はイメージ=123RF
写真はイメージ=123RF

数年前から話題になっている「マウンティング」という言葉があります。マウンティングは本来、哺乳類などの動物が自分の優位を示すため相手に馬乗りになる行為を言います。そんなイメージから、人間関係では「自分が優れている」「自分の方が立場は上だ」ということをアピールしたがる人の言動を指します。

これは日常生活の会話でも起こりますが、フェイスブックなどSNSへの投稿でも見受けられる場合があります。「マウンティング女子」とか職場における「マウンティングおじさん」という存在も話題になることが多いようです。他人から何を言われようが放っておけばいいようなものですが、マウンティングをされると、厄介なことにちょっとイラっとします。しかも露骨な言い回しではなく、さりげなくコメントされるほどイライラした気持ちになりがちです。こうしたことが続くと結構ストレスがたまるものです。

威張りがちな定年シニア

逆に言うなら、円滑な人間関係を保つためにはこうしたマウンティングをしないようにすべきで、特にシニアの人は注意が必要でしょう。実際に「マウンティングシニア」はいたるところで見られ、接する人を相当イライラさせているようです。コンビニのレジで従業員に偉そうに接したり、現役時代の部下と飲みに行ってやたら説教っぽくなったりするシニアは決して少なくありません。

定年退職したシニアが陥りがちなパターンとして、何もすることがなくなって家に引きこもるというのがあります。外に出なければマウンティングをする機会はないだろうと思うかもしれませんが、SNSは外出しなくても利用できるので人の投稿に対して上から目線のコメントを入れる例もあるようです。

どうしてシニアがマウンティングをしがちになるのか。その理由は恐らく「寂しさ」にあるのだと思います。定年になったシニアの多くはサラリーマン時代に管理職を経験した人です。管理職の仕事は部下に何をすべきかを指示し、結果について責任を取ることです。したがって部長や課長というのは、その部や課では序列が最上位であることは言わずもがなです。役員になれば、もっと上になります。つまり現役時代に高い地位にあった人ほど立場が上であることが自然になっているため、定年後に一個人になると会社での地位をなくした寂しさから自分の優位をアピールしたくなりがちなのです。

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし