定年後は要注意 嫌われる「マウンティングシニア」経済コラムニスト 大江英樹

でもこれは、相手からすれば明らかに迷惑です。上司であれば仕方なく付き合わざるを得ないものの、特に関係のないシニアのおじさんに上から目線で物を言われたくないのは当然でしょう。結果として、そういうシニアは遠ざけられることになり、さらに寂しさが増すという悪循環に陥ってしまいます。

お勧めは「六十の手習い」

ではマウンティングシニアにならないようにするためにはどうすればいいのでしょうか。方法は2つあります。一つは何でもいいので「習い事」をやってみること、そしてもう一つはSNSの利用の仕方を工夫することです。

私の経験から言うと「六十の手習い」は大いにやるべきです。マウンティングシニアの特徴として「人の話を聞かない」ということがあり、これはいくら「話をちゃんと聞きなさい」と言ってもそう簡単にはいきません。でも習い事は自分の知らないことをするので、教えてくれる人の言うことを聞く必要があります。自然に謙虚にならざるを得なくなるわけです。

次にSNSですが、以前にもこのコラムでシニアにとってのSNSの効用を書いたことがあります(詳細は2017年11月30日付「老後孤独にならない SNSを楽しく上手に活用するには」)。SNSは寂しさを無くすためには良い手段だと思います。ただし下手をすると、人の投稿に上から目線のコメントを多く入れることになりかねません。人の投稿に対しては反対意見を述べるのではなく、共感したものにシンプルなコメントを付けるのがよいでしょう。気に入らない投稿があれば、反応しなければいいのです。

論語では六十歳のことを「耳順」といいます。人の言うことを逆らわないで聞けるようになる年齢という意味です。耳順とは程遠いマウンティングシニアにならないよう、お互い気をつけたいものです。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は9月5日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/
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