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教養

企業が大学生の知恵求む 社会課題解決に新鮮な風を 広がるプロジェクト型授業(2)

2019/8/21

ヤマト運輸「羽田クロノゲート」を見学した立教大生ら

学生の主体的な学びを促す新しいスタイルの「プロジェクト型授業」が広がっている。連載の第2回は立教大学経営学部国際経営学科、西原文乃准教授によるSDGs(持続可能な開発目標)教室。ヤマト運輸やANAなどの協力を得て、大手企業が抱える課題を学生が読み解き、担当者とともに実践的思考力を鍛えた。

「なんでもいいです。こんなサービス、あんなサービスがあったらいいなと思うことがあれば手を挙げて教えてください」

ヤマト運輸事業構想プロジェクトプロジェクトマネージャーの斉藤泰裕氏が約30人の学生に向かって呼びかけると、次々と手が挙がった。

斉藤氏は、西原准教授が担当する演習のゲスト講師として招かれた。学生と企業が一緒になって身近なSDGsを探すことがテーマだ。学生の主体的な学びを促すため、西原准教授は企業側と授業内容について綿密な打ち合わせを重ねた。

SDGs17の目標(外務省ホームページより)

SDGsは国連が定めた持続可能な開発目標のこと。企業にとり、利益の最大化と社会的な価値創造の両立を迫っている意味で無視できないテーマになっている。学生の関心は高く、受講希望者は定員をオーバーした。

西原准教授がヤマト運輸を選んだ理由は、同社は直接的にSDGsをうたっていないものの、業務内容はSDGsにつながるヒントに満ちているからだ。例えば、日々大量の車両が稼働し、段ボールを使っていることから、SDGsゴールの7番目「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や13番目「気候変動に具体的な対策を」と関連性が深い。実際に多くの学生が同社の「宅急便」を利用しており、身近な話題でもある。

立教大の西原文乃准教授

さて、授業の続きに戻ろう。

■学生の提案、企業担当者がSDGsへの気づきへと転換

斉藤氏によれば、2018年度の実績で年間の総配達個数は18億353万個。稼働車両は1日約3万5千台に上る。「世の中の変化は激しく、宅急便の使い方も時代に応じて変化してきている」といい、かつては進学や就職などで一人暮らしをしている子どもに両親が仕送りの品々を送るなどのニーズが多かったが、近年では、Eコマースやフリーマーケットアプリ経由で利用する顧客の割合が増えている。

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