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希望退職に潜むリスク たっぷり割増退職金に油断禁物 ミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行

2019/8/16

■「退職金があるから転職は急がない」のリスク

私「Mさん、希望退職で辞められたのは昨年の9月末ですが、それ以降の約10カ月の間はどのように過ごしておられたのですか?」

Mさん「退職後は少しゆっくりしようと思い、昨年末までは骨休みをしていました。転職活動もスローペースで、求人サイトに登録した程度でした。年明けから、何社かの転職エージェントに登録して本格的に活動を始めました。エージェントさんからは多数の求人を案内もらいました。ほとんどが私の希望条件とは異なる、住宅や保険の営業などでしたが、そのうち20社くらいにはこの半年ちょっとの間に応募してみました。面接に進めたのは2社だけで、かなり厳しいなということがわかってきた状況です」

私「なるほど。なかなかご苦労されているのですね。ちなみにMさんとしては、いつぐらいまでに仕事を始めたいとお考えですか?」

Mさん「もちろんできれば早く仕事を再開できるほうがいいのですが、遅くとも来年の期初4月にはスタートしていたいですね。まずは退職金の割増があったので、生活が今すぐ苦しくなるということはないので、少なくとも年内はこのペースで希望の条件にあった求人を探していきたいと思っています」

具体的にMさんの退職金や貯金額までは尋ねませんでしたが、「退職金で一生暮らせるほどの金額ではない」ということでしたから、転職活動をぜひスピードアップしてもらいたいということ、Mさんの経験から考えると、業界や職種ももっと幅広い可能性があるのではないかということを話して、今も仕事探しの伴走を進めているところです。しかし、このMさんのケースには、早期希望退職を選択する人すべてに共通するリスクが凝縮されています。

それは、金額の大きな割増退職金(プラス通常の退職金)が一気に入金されることで余裕を感じてしまうことです。もちろん計画性が高い人や心配性の人は別かもしれませんが、サラリーマンやOLとしての生活が長い人ほど、非日常的な入金額になるので、用心しておくに越したことはありません。

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