石津祥介のおしゃれ放談

アメカジ回帰 80年代アウトドアカジュアルが新鮮 原宿CASSIDYでアメカジを語る(上)

2019/8/21

八木沢「VANのグラフィックも大好きで。特にVANのカジュアルブランド『シーン』で操上和美さんが撮影したポスターが駅にばーっと張られていたときなどほしくてたまらなくて。海外の雑誌のようにかっこよかった。VANからは洋服だけでなくグラフィックにも影響を受けました」

■ファッションが出尽くすと必ずトラッドに戻る

――「TAKE IVY」ではアイビーリーグの8大学を回り密着取材をしたんですよね。取材陣はくろすとしゆきさん(服飾評論家)をはじめ、アイビーの元祖という人たちです。

「親父(石津謙介さん)からはいつも、自分の好きなものを作れ、と言われていました」

石津「我々はVANを宣伝するために映画を撮ろうと取材に行き、ならばと写真集も作ることになりました。スチールの撮影は林田昭慶さんにおまかせ。彼の見る目が良かったんだよ」

八木沢「僕がこの世界に入ったのは78年、20代の時。『TAKE IVY』は出版から何年か後に手に入れました。正直、最初にみたときは地味で質素なアメリカンスタイルだなと感じました。自分たちにとってのアメカジはコカ・コーラとかジーンズとかが最初のとっかかりだったものですから」

石津「あの時代はまだジーンズが市民権をほとんど得ていなくて、アイビーリーガーでジーンズはいていたのはごく少数でした。ちょっと意識している良家のアイビーリーガーはジーンズは履かないし、スニーカーではなく革靴。ローファーが多かったよね」

――かなり洗練された学生の日常着という印象ですか。

八木沢「そうですね。着こなしがしゃれているなあと思ったのです。すでに浸透していたアイビーには『~ねばならぬ』という厳格な服装ルールがありました。僕はそうした部分にちょっと反発していたのですが、写真集ではもっと自然で、育ちのよさみたいなものがぱっと出ている。これみよがしな格好がまったくありません。やっぱりアイビーリーグには別なライフスタイルが存在していたのですね」

――お二人はアメカジブームが再燃していると感じていますか。

「VANのグラフィックが大好きで。駅に張ってあったポスターがほしくてたまりませんでした」

石津「再燃じゃないよね。ファッションでこれ、というものがなくなったら必ずアメリカもの、リアルなトラッドに戻るんですよ。スタート地点にね」

八木沢「あらゆるファッションが出尽くした感があって、何を着たらいいのか、というときに、ニュートラルなものといいますか、基本に返ってくるのかなと思います。いま支持されているものは堅実に長く着れるもの。そうして探していくとトラディショナルなものが普遍的、となります」

■ヘビーデューティー系、カジュアルの原点

――たとえばどんなアイテムが動いていますか。

八木沢「TAKE IVYの後に耐久性に優れたヘビーデューティーな商品がブームになりました。そんな80年代ものがリバイバルしています。うちでは昨年からクラシックなL.L.Bean(エル・エル・ビーン)の扱いをはじめました」

Latest