何が難しいの? 日本人がつかまえにくいhardの意味デイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(11)hard

相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回はニュアンスが微妙な単語、hardについてのお話です

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外資系企業に勤めるユウカは、あるクライアントのために企画を考えます。それは、自分たちにとって大変だけどやりがいのある内容の企画でした。英語で提案書を書いたあと、提出前にまず同僚のスティーブに読んでもらうことにしました。後日、提案書を読んでくれたかどうか尋ねたのですが、それからの2人の会話がどうもうまくかみ合っていないようです。その原因はどこにあったのでしょうか?

それはこんな会話でした。

Yuka: Did you read my proposal for the client?
Steve: Ah, this one? I tried, yes.
Yuka: How was it?
Steve: Actually, it's a little hard.
Yuka: Oh, yes! It's always good to challenge ourselves.
Steve: What? I can barely understand what it says.
Yuka: I know it's hard, but we can at least try.
Steve: What are you talking about?

日本語にすると、こんな感じになります。

ユウカ:私が書いたクライアント向けの提案書を読んでくれた?
スティーブ:あ、これ? 読むようにはしたけど、まあ。
ユウカ:どう思った?
スティーブ:実を言うと、ちょっと読みにくいな。
ユウカ:そうよ! チャレンジするのはいつだって良いことよ。
スティーブ:なんだって? 書いてあることがよくわかんないよ。
ユウカ:たしかに難しいけど、せめてやってみないと。
スティーブ:何を言っているんだい?

上の対話では、スティーブのActually, it's a little hard.という発言が、本人の意図とは異なって解釈されたことから、話の流れがおかしくなっています。よく日本語では主語を省いて話すため誤解が生まれやすくなりますが、英語でも似たような場合はあり、itのように主語の指し示すものがあいまいなときは要注意です。スティーブの語ったこの言葉を聞いて、ユウカは心の中で次のように思いました。

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