乃木坂46の与田祐希 先輩のありがたさ、映画で実感
7月5日から劇場公開されている乃木坂46の新作ドキュメンタリー映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』。岩下力を監督に迎えたこの作品では、5月発売のシングル『Sing Out!』でセンターを務める齋藤飛鳥と卒業生の西野七瀬をクローズアップ。近年のライブのステージなど表舞台とその舞台裏、監督によるメンバーへのインタビューとプライベート密着映像で構成。グループが迎える変革を追った内容となっている。
そのなかで、次世代を担う3期生からは与田祐希をフィーチャー。15年の前作『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』公開時には乃木坂46に加入前で、「いちファンだった」という彼女に、撮影中のエピソードや作品の感想を聞いた。
「撮影自体はずいぶん前から始まっていたようなんですけど、私が映画になることを知ったのは、映画の冒頭にもある、2018年12月の若月(佑美)さんの卒業セレモニーが終わったときでした。私は『悲しみの忘れ方』を見て感動して、『乃木坂46に入りたい』と思ったので、その第2弾に自分が出られるのはすごくうれしかったです」
初めてこれまでを振り返る
「映画を見て思ったのは、『乃木坂46の日常が映画になったみたい』だなって。ステージ裏でも楽屋でも、みんなで仲良くしているのをみなさんに見てもらう機会はないですし、素の乃木坂46を感じて楽しんでいただけるんじゃないかな。
乃木坂46に入ってからの約3年、振り返るということがなかったので、この映画を通じて(初選抜入りでセンターを務めた17年8月の)『逃げ水』の頃とは考え方も気持ちも全く変わっているんだなと気付きました。あのときは何も分からない状態で、急に先輩たちのなかに飛び込んで活動して。心の整理ができずに、余裕が全くなかったです。
でも、映画で当時を振り返ると、先輩たちがたくさん助けてくれていて。(西野)七瀬さんが私のことを『ペットみたい』って言うシーンがありますが、他も先輩にくっついている姿ばかりでちょっとお恥ずかしいです(苦笑)。後輩の4期生も入りましたし、もう少し大人になりたいですね(笑)。
印象に残っているのは、上海公演(18年12月)で『シンクロニシティ』のセンターに立たせてもらったシーンです。それが決まった理由が…。私、こういうときだけ"あること"が強くなるんですよね(苦笑)。
プレッシャーを感じて怖くなりましたけど、ここでも先輩や同期に優しくしてもらって。私を中心に、みんながしゃがむ振りのところで、『(センターが)いつもよりも小っちゃいから、深くかがまないとね(笑)』と明るくいじってくれたり、移動中にポンポンと肩を叩いてもらったりして、徐々にリラックスできてセンターを楽しめました。改めて『乃木坂46っていいな』と思えた、忘れられない経験でしたね。
グループでの活動は、プレッシャーや不安に押しつぶされそうになることも多いけど、乗り越えた後はいつも『いい経験をさせてもらったな』と感じています」
地元では野生に返る感じ
「地元福岡でのロケは、本当にいつもプライベートで帰省したときと同じ様子を撮影してもらいました。映画に出てくるおばあちゃんの家は、小さい頃から落ち着く空間で、木登りと同じくらい好きです(笑)。久々に帰ると、私の出ている雑誌の切り抜きをファイルしてくれていて、戻るたびに増えているんです。
あと、ごんぞう(ペットのヤギ)に引っ張られている散歩のシーンは、ちょっと照れますね(苦笑)。ライブシーンの直後にあのほのぼのした場面へ切り替わるので、その落差に自分でもクスッとしちゃいました。地元にいた頃の日課に触れることで乃木坂46に入る前の時間が戻ってくるというか、野生に返る感じがします(笑)。そういう私とアイドルの私、みなさんには真逆に映るかもしれませんが、両方の自分が好きで大切な時間。どちらも経験できている今は、とてもぜいたくな時を過ごさせてもらっていると感じています」
今年2月に京セラドームで開催された西野七瀬の卒業コンサートのステージ裏で、白石麻衣と抱き合う西野が交わした言葉や、地元の成人式に出席した齋藤飛鳥に密着してのインタビューなど、乃木坂46のありのままの姿が収められている(公開中/東宝映像事業部配給)
(ライター 西廣智一)
[日経エンタテインメント! 2019年8月号の記事を再構成]
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