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米国ではありえない? ハンバーグ、日本独自の進化

米国ではハンバーガーステーキを食べるときには必ずバンズではさむ

ちなみに「合いびき肉」も米国のスーパーには存在しないという。

「つなぎのある、なし」「合いびき肉か、牛肉100%か」以外に日米のハンバーグの違いはあるかと尋ねると、さらにこんな驚きの回答が返ってきた。

「米国ではハンバーグ(ハンバーガーステーキ)という食べ方はございません。パンにはさんで食べるのが一般的。つまり、ハンバーガーとして食べています」

な、なんと! お皿にハンバーグとつけ合わせの野菜がのっていて、ナイフとフォークで食べる、あのスタイルはないの!? 米国発のファミリーレストランの定番メニューだと思っていたのに、実は存在しないなんて!

「ですから、『ハンバーグ』という単語は米国では使われておりません。『ハンバーガーパティ』もしくは『パティ』という言い方が一般的です」と土方さん。

英語で「Hamburg」といえばドイツの町、ハンブルクのこと。どうやら「ハンバーグ」は和製英語らしい。野菜やつなぎが入った日本式のハンバーグは米国では「ミートローフ」が近いという。

野菜や卵などを入れてオーブンで焼いたミートローフ

ここでハンバーグの歴史をひもといてみよう。その起源は諸説あるが、モンゴル帝国の「タルタルステーキ」が原型という説が有力だ。13世紀、東ヨーロッパに攻め込んだモンゴロイド系の騎馬民族のタタール人は遠征の際、乗り潰した馬を食料にしていた。こうした馬肉は筋張っていて非常に硬いため、細かく切って食べやすくする工夫がなされた。また、臭みを消すために、タマネギやコショウなどのスパイスで味付けされた。これがタルタルステーキである。

16世紀にこれがドイツのハンブルクに伝わると、安くて硬い肉しか手に入らない労働者階級の間で大流行。衛生面から生ではなく火を通して食べるようにもなった。やがて18世紀にハンブルクから多くのドイツ人が米国に移住するようになって、彼らが食べている牛肉のタルタルステーキのことを米国人が「ハンブルク風ステーキ(=ハンバーガーステーキ)」と呼ぶようになったという。

そして、ハンバーガーステーキは合理的な国民性の米国人によって片手で食べられるスタイルへと進化していったのではないだろうか。ハンバーグならナイフがなくても容易にかみ切れるので、パンではさんでも食べやすい。

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