――健康診断で「生活習慣病の予防のために運動しましょう」と言われたような場合に、ヨガだけをやっていても目的は達成できない、ということでしょうか。

中野 その通りです。フィジカルトレーナーとして理想を言えば、週に2回、有酸素運動と筋トレをやって、その上で、週に1回、ヨガをやってもらいたいですね。ヨガは、心身をリフレッシュしたり、意識を自分に向けたりという目的なら、素晴らしいアクティビティですから。

筋トレをしても脚は太くならない

書籍ではイラストで筋トレのやり方が解説されている

――ウオーキングやランニングなどの有酸素運動は、脂肪燃焼効果があるので女性に人気があります。一方で筋トレも、健康効果が最近盛んに言われるようになり、スポーツクラブで取り組んでいる女性が増えていますよね。

中野 増えてはいるのですが、筋トレというとまだまだためらってしまう女性が多いのも事実です。例えば、女性から「筋トレをすると脚が太くなりませんか?」と聞かれることがとても多いんです。それこそ誤解ですよ。

スキーやスケートの女子選手などはたくましい脚をしていると思うかもしれませんが、それは非常にハードなトレーニングを積んでいるから。一般の女性が筋トレを行っても、脚は太くなりません。安心して筋トレしてほしいですね。

筋力不足でさまざまな不調が

――なぜ女性は、筋トレをしても男性のように脚が太くならないのでしょうか。

中野 女性は男性ホルモンが少ないからです。男性ホルモンには筋肉の“設計図”のような役割があります。男性ホルモンが少ない女性は、筋トレをしてもなかなか筋肉が太くならないのです。

実は、女性は筋力不足が原因で不調になっていることが多いのです。例えば、自分の頭や腕を支える筋肉の力が衰えている人は、慢性的な肩こりに悩まされます。マッサージに行けば一時的に肩こりが解消されるかもしれませんが、根本的に解決するためには、肩の周りの筋肉を筋トレで鍛えたほうがいいのです。

脚のむくみもそうです。ふくらはぎや太ももの筋力が弱いと、脚の静脈の周囲で筋肉が血液を押し出す力が不足して、脚がむくんでしまいます。慢性的に脚がむくむという人は、ぜひスクワットなど下半身の筋トレに取り組んでください。

――筋肉と体の不調との間にそんな関係があるとは知りませんでした。

中野 まだありますよ。減量のために有酸素運動をするなら、筋トレも一緒にやった方がいいんです。筋肉量を増やした方が、脂肪をたくさん燃焼できるようになるので、効率がよくなります。

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