「ヨガは運動ではない」 トレーナーが女性の誤解とく
『女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』著者に聞く
フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏
一流アスリートが頼りにする日本有数のフィジカルトレーナーが執筆した最新書籍は、女性のための運動法を解説した本だった。その中で著者は、「ヨガは"運動"ではない」と驚くようなことを書いている。『女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)を出版した中野ジェームズ修一氏に聞いた。
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女性の運動については誤解が多い
『女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)
――中野ジェームズ修一さんは、卓球の福原愛さん、テニスの伊達公子さん、青山学院大学の駅伝チームといったアスリートのほか、パーソナルトレーナーとして一般の方の運動指導も行っています。今回はなぜ女性向けの運動本を出されたのでしょう。
中野 女性は、具体的な運動のやり方という以前に、運動する入り口でつまずいている方が多いと思ったからです。
――そうなんですか? 女性は健康意識が高くて、習慣的に運動している人が多いイメージがあります。スポーツクラブに行くとたくさんの女性が汗を流していますし、街ではランニングしている女性を多く見かけます。
中野 まずそれが誤解なんですよ。厚生労働省の『国民健康・栄養調査』(2017年)によると、20代女性で「運動習慣のある人」の割合は、たった11.6%なんです。30代では14.3%、40代では16.1%、50代ではようやく2割を超えて23.9%です。いずれも同世代の男性より低い値ですね。
運動にまつわるこうした誤解は他にもあって、それをちゃんと取り除かないと、効果的な運動ができなくなってしまうんです。
――女性の方が男性よりも運動していると思っていました。他にはどんな誤解がありますか?
ヨガは"運動"ではない!?
中野 フィジカルトレーナーとして言いたいのは、ヨガは"運動"ではない、ということです。
――ええ!? 一般的なイメージではヨガは運動ですよね。私の周りにもヨガを運動だと思ってやっている女性がたくさんいそうですが……。
中野 「運動ではない」というのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、要するに有酸素運動や筋トレの代わりにはならないということです。生活習慣病の予防・改善や、肥満の解消、将来の寝たきりの予防のために運動するのであれば、やはり有酸素運動や筋トレに取り組まなければなりません。