デート商法・霊感商法… 「不当な勧誘」規制強化6月に改正消費者契約法

不利益を不告知もNG

被害者の恋愛感情を知りつつ「契約してくれないと関係を続けない」などと告げて勧誘する「デート商法」、加齢による判断力の低下を利用した勧誘、さらに「霊感商法」なども取り消せるようにした。契約前に消費者に負い目を感じさせて代金を請求する契約も取り消せる。「頼んでもいない調査を勝手に行って、代金を請求するやり方が典型だ」(上柳敏郎弁護士)。

「隣地にマンションが建つことを不動産業者が告げずに土地を販売した」など、不利益を告知しない販売も規制対象になった。「業者が少しでも注意していれば告げられたことを告げなかった場合も取り消せる」(上柳弁護士)。

契約書に記される条項についても「当社に過失があると当社が認めた場合に限り損害賠償責任を負う」といった一方的な条項は無効になった。

法の網かいくぐる商法も

改正法にも問題点はある。「取り消しの対象が限定的で要件もなお厳しい」と内閣府の第三者機関である消費者委員会委員の鹿野菜穂子慶応大学大学院教授は指摘する。

例えば「不安をあおる告知」を取り消すには、消費者が過大な不安を抱いていることを事業者側が「知っていた」ことが必要だ。これでは事業者に「知らなかった」と言い逃れる余地を残す。

法規制の網から逃れる悪質商法もある。警視庁などが強制捜査したジャパンライフの「預託商法」(図C)。消費者に高額の磁気治療器などを購入させ、それを貸し出して一定の利益を保証するとしたが、「商品自体がごく一部しかなく、実態は詐欺」(石戸谷弁護士)。安愚楽牧場や豊田商事など、多くの被害者を出した預託商法は過去に相次いでおり、日本弁護士連合会を中心に「何らかの法的対応が必要」との声は強い。

トラブルから財産を守るためには、消費者法について概要だけでも押さえておきたい。被害が疑われる場合は、地元の消費生活センターの相談窓口に行くといい。弁護士で東京経済大学の村千鶴子教授は「取引の経過が消費者自身の記録や契約書などで明らかであれば、法的な対応措置を取りやすくなる」と話している。

(後藤直久)

[日本経済新聞朝刊2019年8月10日付]

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし