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相場波乱、資産どう守る 米国債ETF・金が選択肢 QUICK資産運用研究所 北澤千秋

2019/8/14

注意が必要なのは、景気がこれから悪くなれば財務体質の弱い企業などではデフォルト(債務不履行)の懸念が強まりかねない点。対象は米国債や高格付け社債などの投資適格債に絞った方が無難だ。さらに資産防衛のためには円高リスクは負いたくないので、為替ヘッジ付きが望ましい。ヘッジのコストを考えると今の利回り水準では利息収入(インカムゲイン)はほとんど望めなくなるが、債券価格の上昇(キャピタルゲイン)は期待できる。

具体的にはどんな商品があるのだろうか。米国の投資適格債を投資対象とする投資信託は何本かあるが、独立系運用アドバイザーの吉井崇裕氏は「信託報酬が1%を超えるファンドが多く、今の利回り水準ではコスト倒れになりかねない」と指摘する。

そこで吉井氏が注目するのは保有コストの安い上場投資信託(ETF)だ。米国債で運用する東証上場のETFとしては、上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり)、投資適格社債が対象ならiシェアーズ米ドル建て投資適格社債ETF(為替ヘッジあり)がある。

■予断持たずに市場ウオッチを

金(ゴールド)も引き続き資金の一時避難場所として選ばれやすそうだ。ニューヨーク金先物相場は6年ぶりの高値水準まで買われているが、米国の利下げ継続・ドル安の観測、世界的な金利低下、株安への警戒感、地政学リスクの高まりなど、金買いにつながりそうな要因には事欠かない。

ただし金はもともと価格変動の大きな商品なので、「ポートフォリオの中での組み入れ比率は10~15%程度で十分」(吉井氏)。金を買う場合も為替リスクを取らないことが条件。為替ヘッジ付きの金連動ETFは上場していないので、ヘッジ付きの投信の中から信託報酬の低いファンドを選びたい。

市場環境が不透明さを増すなかで、例えばトランプ大統領のツイート一本で市場心理が大きく振れるように、それぞれの資産に対する見方やマネーの流れはいつ、どう変化するか見通せない。今は「安全資産」といわれる米国債も、米国の財政赤字が問題化したり、中国による保有米国債の売却の動きが顕在化したりしたときには、評価は一変しかねない。「資産分散を徹底したうえで、予断を持たずに市場の変化に目を凝らしてほしい」というのが重見氏のアドバイスだ。

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