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投資家に共通ポイント 証券会社、女性や若者獲得狙う 株式や投資信託の売買に応じて

2019/8/13

写真はイメージ=PIXTA

証券会社が株式や投資信託の売買などに応じて投資家にポイントを付与するサービスを拡充している。若年層になじみのあるポイントを前面に押し出し、これから資産形成を始める年代の顧客を囲い込むのが狙いだ。なかでも共通ポイントを付与する動きが目立つ。

SBI証券は7月、共通ポイント「Tポイント」がたまるサービスを始めた。国内株式の売買手数料や投信の保有額、金やプラチナの売買手数料に応じて付与する。ポイントは同社での投信購入にも充てられる。

付与率は投信の月間平均保有額に応じて年率0.1%または0.2%分、国内株式は1カ月の売買手数料の1.1%分だ。付与の条件として保有額や売買手数料に「この金額以下ならば付与しない」といった下限は定めない。

ポイントの付与で先行したのは、マネックス証券やカブドットコム証券などだ。共通ポイントではなく、独自ポイントを付与するサービスで、両社とも保有資産が比較的大きい個人投資家を対象としている。投信を長期保有してもらい、自社の預かり資産を拡大するのが付与の目的だ。カブドットコム証券は投信残高の月平均額が100万円以上の顧客を対象としている。

松井証券のように口座を持っている顧客専用のクレジットカードの利用額に応じて、独自ポイントを付与するサービスもある。

これら独自ポイントに対し、小売店や飲食店など異業種でもためられ、利用もできる共通ポイントを付与する例が目立ってきた。楽天証券は株式や投信、金、プラチナなどの売買手数料の1%分の「楽天スーパーポイント」を付与する。SMBC日興証券では投信積立サービスの利用者がNTTドコモの「dポイント」を毎月3ポイント受け取れる。

楽天証券の清野英介常務執行役員は「買い物で共通ポイントに触れる機会の多い女性や、30代を中心とした比較的若い世代の口座開設が最近、増えてきた」と手応えを感じている。

ポイントの付与は若年層の獲得にどの程度の効果があるのだろうか。4月に開業したスマートフォン中心のSBIネオモバイル証券(東京・港)は7月末までの口座開設数が6万7000超。およそ半数が20~30代といい、小川裕之社長は「20代に最も利用される証券会社を目指す」と話す。

同社では月間のサービス利用手数料に応じてTポイントがたまるほか、たまったポイントを株式投資にも充てられる。口座を開設した理由などを同社が顧客に複数回答で聞いたところ、「ポイントがもらえる」が23%、「ポイントで投資できる」が74%にも達した。

最近は共通ポイントを中心に、ポイントを原資に投資するほか、投資の疑似体験ができるサービスが広がっている。ポイント付与が若年層開拓の重要手段となれば、他の証券会社も追随しそうだ。

(藤井良憲)

[日本経済新聞朝刊2019年8月10日付]

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