ブリット、泥棒成金… 紳士の装いが学べる映画10選


■9位 太陽がいっぱい 380ポイント
上流リゾート服の手本

貧しい青年トム(アラン・ドロン)が富裕な友人を殺して、完全犯罪を目指す。友人役の「スエードのシャツとオフホワイトのパンツの組み合わせは現代的」(山下さん)。「上流階級のリゾートスタイルのお手本」(中野さん)。

(1)ルネ・クレマン(2)1960年(3)KADOKAWA、4Kリストア版 4800円(税別)

■10位 オリエント急行殺人事件 290ポイント
欧州のクラシックな装い

名探偵ポワロが謎に挑む。欧州のクラシックな装いで「ドレススタイルのルーツが学べる」(赤峰さん)。「アンソニー・パーキンスのブレザースタイルが参考になる」(鈴木さん)。

(1)シドニー・ルメット(2)1974年(3)NBCユニバーサル・エンターテイメント、スペシャル・コレクターズ・エディション 1429円(税別)

映画に見る女性の着こなし 大きめコート・帽子で変化

映画の影響を受けたファッションは「シネモード」と呼ばれる。今回、男性の着こなしを学べる映画作品をテーマにした理由は、男性の着こなしは普遍性が高いうえ、特定の映画作品と俳優の着こなしの結びつきが強いためだ。

「男と女」(C)1966 Les Films 13 

「麗しのサブリナ」(1954年)でオードリー・ヘップバーンが着た「サブリナパンツ」を知る人は多いだろう。しかし、女優は役柄より個人、映画より普段の着こなしに注目が集まることが多い。

女性が参考にできる映画についても聞いた。

フランス映画に詳しい東京成徳大学の芳野まい准教授は66年「男と女」を挙げる=写真は製作50周年記念デジタル・リマスター版。夫を事故で亡くした女性を演じるアヌーク・エーメがオーバーサイズのムートンコートなど男物のような服をさっそうと着こなす。「夫や彼氏のコートを借りても今風になる」

服飾史家の中野香織さんは67年の米国映画「俺たちに明日はない」。女銀行強盗を演じたフェイ・ダナウェイがベレー帽で髪をまとめたり、つば広帽を目深にかぶったり。「基本的なアイテムの使い方がうまい」

ファッションジャーナリストの日置千弓さんのお薦めは米映画「ロッキー」(76年)だ。主人公の恋人役タリア・シャイアが今年のトレンドでもある男性的なスーツを着ながら「赤いベレー帽を合わせるなど、女性らしさを少し香らせるワザが参考になる」という。

◇ ◇ ◇

ランキングの見方 数字は専門家の評価を点数化。作品名。(1)監督名(2)製作年(3)発売元とDVDの希望小売価格。写真は三浦秀行撮影、モデルは熊谷宜之、スタイリングは青柳光則。衣装協力=1位と4位ビームス、2位バタク。

調査の方法 1930~80年代に初公開され、20年代以降が舞台の「紳士の着こなしの参考になる映画」について、DVDかブルーレイを専門家の協力でリストアップ。25作品のなかから、「出演者の着こなしが男性読者が参考になる」という観点でそれぞれ1~10位までおすすめ順に順位を付けてもらい集計した。(堀聡が担当しました)

今週の専門家 ▽赤峰幸生(服飾文化ディレクター)▽河毛俊作(演出家)▽黒部和夫(ファッション評論家)▽慶伊道彦(フェアファクスコレクティブ社長)▽白井俊夫(信濃屋顧問)▽鈴木晴生(シップス顧問メンズクリエイティブアドバイザー)▽中寺広吉(バタク ビスポークテーラーモデリスト)▽中野香織(服飾史家)▽林信朗(服飾評論家)▽山下英介(メンズプレシャス クリエイティブディレクター)▽山本祐平(テーラーケイド代表)▽綿谷寛(イラストレーター)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2019年8月10日付]

NIKKEIプラス1「何でもランキング」のこれまでの記事は、こちらからご覧下さい。