リクルートでの営業が背骨に 公民の架け橋夢見る四條畷市副市長の林有理氏(下)

リクルート時代に関西で住宅地での営業を経験して、まちづくりに触れた(エン・ジャパン「AMBI」提供)
リクルート時代に関西で住宅地での営業を経験して、まちづくりに触れた(エン・ジャパン「AMBI」提供)

公募で四條畷市(大阪府)の副市長に就任した林有理さんは、民と公をまたぐキャリアづくりの先例となった。単身赴任で子育てする経験を元に、子育てしやすいまちづくりにも取り組んでいる。その原点はリクルート時代、関西の営業部で体験した「現場」にあった。

――四條畷市の副市長として、子育て施策の充実にも取り組んでいます。

「四條畷市が抱える課題を洗い出すと、子育て世代の転出が浮き彫りになりました。そこでまず、子育てしやすい環境を整えることに力を注ぐことにしました」

「具体的な施策に関しては、自分自身が子育てをしながら実感したことを土台に、細かな補正を加えています。こちらに来てすぐ、子供をベビーカーに乗せ、街を隅々まで歩きました。途中でオムツを替える場所があったらいいなと感じたり、哺乳瓶のお湯がなくなると大変だということを実感したりしました。そうした実感を持って担当課へ行き、細かな打ち合わせを重ねて作ったのが、『親子で利用しやすいお店マップ』です」

「マップの作成を担当してくれたのは、担当課のメンバーとインターンシップの学生です。商店街にあるお店を1軒ずつ回り、お店のお客さんでなくてもオムツを替えられたり、ミルク用のお湯がいただけたりするようお願いをして、承諾をもらえたところをマップに落とし込みました。受動喫煙防止条約の制定も同様。ベビーカーを押していると、街中でタバコを吸っている人が気になりました。公立保育所でのオムツ持ち帰りも、疲れて帰ってくる保護者の負担や衛生的なことを考え、廃止しました」

「副市長に着任した際、『着眼大局、着手小局』という言葉を職員全員にメールしました。大局を見ながら、小さなことを積み重ねていくと、やがて大きな成果へとつながっていく。様々な施策の結果、2018年11月には人口増を達成し、18年は11年ぶりの転入増にもなりました」

――まちづくりに興味を持った原点は?

「原点はリクルート時代にありました。入社した03年当時、スーモはまだなく、『住宅情報』と呼ばれていました。関西の営業部に配属され、ニュータウンなど分譲地の広告営業をしていました。同期全員が嫌がる仕事だったので、当初はかなり泣きました」

「中高とインターナショナルスクールに通い、留学もし、慶應SFCのような国際色豊かな大学に通い、リクルートに入社して『世界を変えるんだ!』と意気揚々としていたところが、山を切り拓いたニュータウンへ。工務店の扉をカラカラ開けて『こんにちは』と入ったりするような営業に配属されたため、最初はつらかったです。ただ、きつかったのですけれど、あの経験がなければ、今はなかったと思います」