マネー研究所

Money&Investment

変わるお墓 核家族化が「墓じまい」促す 夏に考える終活(上)

2019/8/11

良男 話は変わるけど、最近は「墓じまい」というのが増えていると聞くね。こうした墓の人気と関係があるのかい?

幸子 墓じまいはこれまでのお墓を片付けること。中にある遺骨をどこかに移さないといけないので改葬と意味はほぼ一緒ね。厚生労働省の17年度の調査では改葬件数が10万件を超えたの。鎌倉新書の田中さんは「お墓を買う人の14%程度が改葬のための購入で、その6割が一般墓から永代供養してくれる墓への引っ越し」と話していたわ。この中には樹木葬や納骨堂も含まれるので関係はありそうね。

 お墓が遠いと墓参りに行くのも大変だよ。これから墓じまいをしたいという人は増えていきそうな気がするな。

幸子 墓じまいの費用はお墓の大きさなどで異なるけど、平均で30万円程度と聞くわ。でもこれは墓石の撤去や更地に戻すための金額で、新たにお墓を手配するとその分の費用が加わるのよ。もうお墓はやめて散骨するという人も増えるかも。自分のお墓をどうするかだけでなく、先祖のお墓をどうするかも終活の重要なテーマといえそうね。夏はお盆などで家族が集まるので、お墓について皆で話すいい機会ね。

■墓じまい 早めに寺院に相談を
相続・終活コンサルタント 明石久美さん
実家の墓を継ぐのが難しいという人が増えています。その場合の選択肢は、(1)墓の近くに親戚がいれば継いでもらう(2)同じ墓地に永代供養の墓があればそこに遺骨を移す(3)遺骨を別の地域に移す――の3つです。(2)(3)が墓じまいです。(3)では墓がある自治体から改葬許可証をもらいます。許可証を得るには墓の管理者のサインが必要ですが、墓じまいされると困る寺院の場合、「離檀料」を求めてくるケースがあります。早めに相談し、きちんと事情を説明することが重要です。
遺骨の引っ越し先も考える必要があります。お墓のタイプなどで金額は異なります。墓じまい先の墓も自分が入る墓も、選ぶときには家族や親戚とよく話し合い、実際に見学してみるとよいでしょう。供養する人の気持ちを考えて決めたいものです。(聞き手は土井誠司)

[日本経済新聞夕刊2019年8月7日付]

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL