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多様な背景を持つ生徒が集うユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン=同校提供

多様な背景を持つ生徒が集うユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン=同校提供

長野県軽井沢町にある全寮制の国際高校、ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)ISAKジャパンは2019年9月に新学期を迎えます。その時点で生徒の出身地は82カ国・地域にまで増えるそうです。生徒が全部で約200人であることを考えると、その多様さには驚くばかりです。小林りん代表理事が「変革を起こすチェンジメーカーを育てるには、多様性のある環境が大切」と説くのは、なぜなのでしょうか。

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教科書では分からない 世界の「生の声」聞く

発展途上国を含む世界各地から生徒が集い、学ぶUWC ISAKの環境は、返済のいらない給付型奨学金を用意するなどして実現している。その背景には「出身国や地域、育ってきた経済的、社会的な環境や背景が異なる生徒同士が交わるなかで、チェンジメーカーは育つ」(小林氏)という考え方がある。

多様な同級生や教員と触れ合うなかで、生徒は多様性を当たり前に受け入れるようになる。教員もあらゆる科目の授業を通じ、多様な見方や個性を引き出すよう工夫しているという。

「たとえば、歴史や国際政治の授業でイスラム教について学ぶとします。日本人は、イスラム教は(アフガニスタンの反政府武装勢力)『タリバン』や(中東の過激派組織)『イスラム国』(IS)を支える過激な教えであると誤解しがちです。また、イスラム社会では世界のどこへ行っても女性の権利を制限し、社会進出を妨げていると思っている人も多いでしょう」と小林氏は話す。

ところが、国民の8割以上がイスラム教徒であるインドネシアの生徒の話を聞くと、そうした思い込みは揺さぶられる。「イスラム教の開祖である預言者ムハンマドの妻は商売を手がけるビジネスウーマンであり、女の子どももいた。そんな家族を持つのに、女性蔑視の教えであるわけがない」というのだ。

小林氏は「そういう生の声を聞けば、自分の属する社会の価値観や断片的な報道を通じて得た知識が、時としていかに偏ったものであるかが分かります。そのほかにも多様な立場や見方があることを実感できます。教科書で数行の説明を覚えるのとは、まったく違う授業になるのです」と強調する。

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