利益確定・勉強法… 億万投資家が初心者の悩みを解決2019年個人投資家調査(5)

日経マネー

(イラスト:ハヤシナオユキ)
ベテランの悩み「利益確定が早過ぎてしまう」

・含み益はすぐに利確してしまい、我慢できない(52歳男性、大阪府)
・利益確定が早過ぎたと思って、売却後に同じ銘柄を前より多く買って、急落に遭う。これを何度も繰り返してしまう(42歳男性、神奈川県)
・割安株も値上がり期待で保有しているが、待ちきれずに売却した後に値上がりする場合がある(48歳男性、岐阜県)

自分の投資スタイルに合った判断かを確認する
(とりでみなみさんのアドバイス)

(イラスト:ハヤシナオユキ)

本当に利益確定が早いのでしょうか。売却後に値上がりしたため、悔しい思いからそう考えていませんか。売却時点では何らかの判断を下したのですから、そのタイミングが正しい可能性が高いのではと思います。

売却のタイミングについては、自分の投資スタイルやコンセプトに合っているのかどうか確認が必要です。長期投資を標榜して目標株価も設定していたにもかかわらず、早く売却したのなら、それは問題です。一方で、「もっと良い株が見つかった」「利が十分に乗った」「もうこの株は値上がりしない」などと判断しての売却なら、まずは正解と考えます。

問題はその後の行動です。売値付近の価格で買い戻す場合、最初に購入した時と現在の状況にどのような変化があるのか確認が必要です。変化が見当たらないなら、売却が早過ぎたか、買い戻しが間違っているかのどちらかです。どちらにしても間違いをしているので、立ち止まって考える必要があるでしょう。

なお、自身の投資スタイルが明確でない場合は、先にそちらをはっきりさせる必要があります。目標株価を設定するのか、常にもっと良いと思う銘柄に乗り換えていくのか、出来高を見て売買するのか。そのスタイルにさえ合っていれば、早過ぎる売却ではないことになります。

2つの側面で我慢することが必要
(みきまるさんのアドバイス)

(イラスト:ハヤシナオユキ)

この問題には2つの側面があります。1つ目は、いくら良い銘柄でも、その価値が市場で発見されて値上がりするまでには、「一定の時間」が必要とされることが多い点です。ここを我慢しなければなりません。

「株の儲けは我慢料」という言葉もあります。米ニューヨークの超名門投資顧問会社ツウィーディ・ブラウンのマネジング・ディレクター、クリストファー・H・ブラウンは「株式投資のリターンの80~90%は、全体のわずか2~7%の投資期間に生み出される」という印象的な言葉で説明しています。つまり、投資で成果を出すためには、持ち株をある程度信頼して、そこに時間という魔法のスパイスをかける必要があるわけです。 

2つ目は、値上がりし始めた銘柄にはモメンタム(勢い)が発生していることです。慣性の法則でそのまま上がり続けることが多いことを認識しておかなくてはなりません。

私たち投資家は「含み益に耐える」ことも重要で、それも仕事のうちなのです。上昇し始めた銘柄に関しては、たとえ指標的に割高になっているとしても、その上昇トレンドが崩れるまでは我慢して売らないようにすべきです。

私は利益確定について、これらの2つの側面を常に意識して取り組んでいます。

※とりでみなみさん、みきまるさんはハンドルネーム

(日経マネー 中野目純一)

[日経マネー2019年8月号の記事を再構成]

日経マネー 2019年 9 月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP
価格 : 750円 (税込み)


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