前回に引き続き、NIKKEISTYLE Men's Fashionで4~6月に掲載し、読者の反響が大きかったインタビューをお届けします。今回はファッションのとらえ方に独自の視点を持つ3人の発言を選びました。バブル期の日本ではファッションは個性を演出するものでした。30年を経て衣料品への消費支出は激減し、服の価値観は個性よりも着心地や安さへとシフトしています。とはいえ誰しも、すてきにみせたい、かっこよくありたい、という気持ちを失ってはいないはずです。3人のインタビューからは装いに対する興味深い思想がみえてきます。
■「僕らが求めるのは、マイノリティーのかっこよさ」
――クリエーター 藤原ヒロシ氏
ストリート系ファッションのカリスマ、藤原ヒロシさんはユニクロを一度も買ったことはないし、着たこともない、と言います。
「そもそも僕は何億枚も売れる物を作りたくはありません。数を売りたくてやるものはファッションではない。絶対数をどう見るかがファッション。僕らが求めるのは、マイノリティーのかっこよさといえます」
【インタビュー記事はこちら】
「僕はユニクロじゃない」藤原ヒロシ、ブルガリと組む
■「何が自分に似合うか探し出すのは自身の責務」
――キリアン創業者 キリアン・ヘネシー氏
高級香水「キリアン」創業者のキリアン・ヘネシーさんは、白シャツ、ジーンズ、黒ジャケットというスタイルを貫いています。
「30代半ばにこうしたスタイルを確立しました。男性として何が自分に似合うのか、何を着ると自分がよりよく見えるのか、ということを追求し、理解し、探し出すのは自分自身の責務だと思っています」
【インタビュー記事はこちら】
香水界の貴公子「似合うスタイルの探求が男の責務」
■「職人技光るスーツ 身につけると湧く喜びの気持ち」
――ショパール共同社長 カール=フリードリッヒ・ショイフレ氏
スイスの高級時計・宝飾品ショパールのカール=フリードリッヒ・ショイフレ共同社長は職人技が光るスーツを好みます。
「なじみのテーラーが作ってくれた服には20年以上愛用しているものもあります。確かに作るときは高いですが、長く着ることができる。職人の手技が発揮されたスーツやワイシャツは身につけると、喜びの気持ちが湧いてきます」
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(上)スーツの裏地に潜む粋の美学 職人技、時計と響き合う
(下)カフリンクスは時計の重要な脇役 つける人の個性表現
「リーダーが語る 仕事の装い」記事一覧