リーダーが語る 仕事の装い

憧れは清志郎さん 教壇は講師にとってのステージ 代々木ゼミナール英語講師 西谷昇二氏(下)

2019/8/9

■どんな衣装も自分の感性で着てしまう清志郎さん

――そのほかにファッションで影響を受けた人として忌野清志郎さんを挙げられています。奇抜な重ね着やネオンカラーの衣装など個性、主張がすごい人でした。

「忌野清志郎さんみたいにかっこよくありたい。どんな衣装も自分の感性で着てしまう。そしてすべてが似合っている。おそらく自分が好きなものを大事にしているから、何を着ても似合うのでしょう。ロックミュージシャンは型にはまらず自分の着方ができる人が多くて理想ですね」

デザイナーとして活躍する「ケイスケ・カンダ」の神田恵介さんと「アンリアレイジ」の森永邦彦さんは教え子。彼らのブックを大切にしている

「僕の教え子にファッションデザイナーが2人いるんです。1人は『ケイスケ・カンダ』を立ち上げた神田恵介くん、もう1人が『アンリアレイジ』の森永邦彦くん。神田くんは僕の講義を聴いて、自分の考えを服に織り込みたいと早稲田大学に行った。早稲田に行くモチベーションは勉強するだけでなく、服を作りたいということでもいいんだ、と生徒に話したら高3だった森永くんが影響を受け、早稲田に入学して神田くんの弟子になった。彼らは僕のファッションも好きだったみたい」

サインに添えるフレーズを板書してもらった。「A man is not finished when he is defeated.He is finished when he quits.(負けたら終わりではない。やめたら終わるのだ)」。米37代大統領ニクソン氏の言葉

――教壇からの講師の話は雑談であっても強く刺さることがあります。多感な時期の受験生相手では、話題に気を使いませんか。

「昔は割と簡単だったんです。夢を持とう、というと付いてきてくれた。ところがいまは内向きで現実的ですから単に夢を持てといってもだめ。目標を持つ人が少なくなりました。高いところに行こうという価値観を持ってもらおうにも難しい。それに雑談をしても、受験に関係ないからと興味を持ってくれません」

■生き方が服装に出ているというのがいい

――ネット時代になって若者は外の現実世界との触れあいや感動の機会が少なくなっている。それが装うことへの関心が希薄になっている理由だとも指摘されています。

「音楽、絵、旅といった世界に触れた感動を表出することが、ファッションにおける個性につながるのではないかと思います。画家で藤田嗣治、熊谷守一らが好きなのですが、画風だけでなく、服装にも彼らの生き方が表れているというのがいいですよね。僕の服装の色彩感覚は絵画からきているかもしれません」

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